ずっと、いっしょ。

 既読がつくのが遅い。
 画面を見つめたまま、指を止める。
 キョウは今、写真を見ている。
 たぶん、拡大している。
 背景を。
 昔のフォルダも、きっと開いた。
 あの頃の写真。
 二人しかいない写真。
 喉の奥がひりつく。
 ――三人だったろ?
 あの言葉が、まだ残っている。
 消しきれなかった。
 甘かった。
 写真は整えた。
 記憶も、ほとんどは馴染んでいる。
 でも、夢は厄介だ。
 眠りは、境界が薄い。
 揺れやすい。

《また行こ》

 送信。
 すぐに既読。
 短い返信。
 それでいい。
 安心する。
 俺とキョウ。
 二人。
 それでいい。
 それでなければいけない。
 画面が暗くなる。
 映り込んだ自分の顔を、しばらく見つめる。
 この顔は、よくできている。
 昔から見慣れた顔だ。
 違和感はない。
 ……ないはずだ。
 でも。
 ほんの一瞬。
 画面の奥で、白い揺れが横切った気がした。

「見るな」

 低く呟く。
 誰に言ったのか、自分でもわからない。
 キョウか。
 それとも。
 もっと、奥にいるものか。
 指先が、無意識に強くなる。
 大丈夫だ。
 ほとんどは、俺だ。
 もう、俺しかいない。
 あいつは、静かだ。
 深いところで、眠っている。
 キョウは気づかない。
 気づかせない。
 二人でいい。
 三人は、いらない。
 暗い画面の中で、影がわずかに二重になる。
 瞬きをすると、元に戻る。
 問題ない。
 まだ、揺れていない。