学校。
チャイム。
ざわめき。
キョウは教室にいる。
何も変わらない。
宮野という名前は、頭に浮かばない。
祖母の最後の言葉も、少し曖昧だ。
“振り返るな”だったか。
違ったかもしれない。
放課後。
昇降口。
タツキが待っている。
自然に合流する。
距離は、昨日よりも近い。
「帰るか」
「うん」
田んぼの横を通る。
風はない。
稲は、静かだ。
白いものは、見えない。
もう。
見えない。
キョウは思う。
これでいい。
二人でいられるなら。
それでいい。
「キョウ」
呼ばれる。
振り向く。
タツキが笑う。
完璧に、タツキだ。
影は、ひとつ。
長さも、普通。
何もおかしくない。
「ずっと一緒」
軽く言う。
冗談みたいに。
キョウは笑う。
「うん」
影が、わずかに縦に揺れる。
ほんの一瞬。
気づかない。
気づかないふりではなく。
本当に、気づかない。
風は、吹いていない。
チャイム。
ざわめき。
キョウは教室にいる。
何も変わらない。
宮野という名前は、頭に浮かばない。
祖母の最後の言葉も、少し曖昧だ。
“振り返るな”だったか。
違ったかもしれない。
放課後。
昇降口。
タツキが待っている。
自然に合流する。
距離は、昨日よりも近い。
「帰るか」
「うん」
田んぼの横を通る。
風はない。
稲は、静かだ。
白いものは、見えない。
もう。
見えない。
キョウは思う。
これでいい。
二人でいられるなら。
それでいい。
「キョウ」
呼ばれる。
振り向く。
タツキが笑う。
完璧に、タツキだ。
影は、ひとつ。
長さも、普通。
何もおかしくない。
「ずっと一緒」
軽く言う。
冗談みたいに。
キョウは笑う。
「うん」
影が、わずかに縦に揺れる。
ほんの一瞬。
気づかない。
気づかないふりではなく。
本当に、気づかない。
風は、吹いていない。
