――あれからいくつもの日々が過ぎ去ってしまった。
俺は時の流れに流され今も変わらない日々を過ごしている。
俺は今になってこう思う。
――タイムリープ――
と言う奇跡が起きようと、これまで歩んできた日々を変える事が出来るのは、物語の主人公のような特別な人間なだけなんだと。
そんな俺は中学3年生になっていた。
小学5年の終業式の日に戻った後、夢や幻ではなく目覚めて元の時代に戻ることはなく、2度目の子供の時間を歩んでいた。
もちろんその間、初恋の相手である星空雪菜との運命を変えようとしたもののクラスの違いや、運命と言う決められた時の流れに逆らう事が出来ずに、ただ時間だけが過ぎ去っていた。
「星空さん、流星学園に進学するの?凄すぎるんだけど」
俺が中学の廊下を歩いている時こう耳に飛び込んできた。
そう。あの星空雪菜が進学するという高校は文武両道であり偏差値も全国的に見てかなり高い位置にある高校だった。
「(…うっそうだったか。流星学園に進学するとなるともうどうにも出来なくなるなぁ)」
ようやく俺にも焦りが出てきていた。
「(とは言え俺の今の学力ではどうしようも出来ないしなぁ)」
タイムリープしてからずっと勉強漬けの毎日を過ごしてきたのならともかく、今さらどう足掻いても仕方ない状況に陥っていた。
「(ならやっぱりこの1年の間に何とかしなければいけないのかなぁ…)」
と、悶々と考えていた次の瞬間だった――
「行ったぞ!柿沢」
「…えっ?」
――そう。今は体育の授業で男子はサッカーをしていた。
俺の目の前にボールが飛んできて、前から別の生徒がボールを取りに突っ込んできていた。
「危ないっ!」
前からスライディングしてきた生徒とぶつかってしまった。
スライディングしてきた生徒は無事だったが、俺はその場に倒れ込み膝にかすり傷を負った。
「おい、保健室に行ってきなさい」
そう担当教員から言われた俺は自分の落ち度と言うこともあり、付き添いなどなく一人で保健室に向かうことに。
「あっ、消毒液切らしてるからちょっと待ってて」
そう保健室の先生から言われた。
保健室なのに消毒液が無いことなんてあるのか?と思いつつ若くて美人な先生なら許しちゃおうと考えていた時だった。
「柿沢くんの消毒液買ってくるけどまだここに居る?」
「えっ~先生話し聞いてくれるって言ったじゃん」
どうやら保険室には保険の先生と俺以外にベッドの方に、もう一人誰かが居てるみたいだった。
「私の大事な進路の話しなのに」
「だから言ってるじゃない。あなたの学力なら流星学園が一番良いんじゃないかって」
「(えっ!?流星学園?星空さんと同じ高校じゃん。そんな優等生が他にも居たなんて…)」
「また後で聞くからちょっと待っててね」
そう言って俺の消毒液を買いに保険の先生は出ていった。
――次の瞬間――ピシャッ!とカーテンが開きカーテンの中の女子生徒が出てきて俺の方へと向かってきた。
「もう!あんたが来るから先生出て行っちゃったじゃない!せっかく大事な私の進路相談の時間だったのに」
そう見下してくる様子は物凄い威圧感だった。
身長も高く、中学にしては派手で長い髪を揺らし俺に迫りくる。
まるで歌舞伎の長い髪を揺らす演目を見てるようだった。
「ご…ごめん」
凄い威圧感があると人間は自然と謝ってしまう生き物なのかも知れない。
「まぁ良いわ。仕方ないからあんたで我慢してあげるわ」
そう言いながら俺の隣の椅子に座る謎の彼女。
彼女は横に座ると可愛らしい顔立ちである美少女だった。
正直言って前回の人生では、この子と出会うこんなシチュエーションは記憶に無かった。
と言うことは、俺が体育の時にボーッとして考え込んでいたのが新たなこの出逢いに繋がったって事なのか…?
「ねぇ!ちょっとあんた聞いてるの?」
「あっ…うん。もちろん。流星学園に行こうか迷ってるって話しだよね」
「そうそう先生も流星が良いって薦めるんだけど――」
「でも流星って頭良くなかったら行けないんだよね?行ける力があるなら行くべきだと思うけど?」
「あんた流星のことよく知ってるね!もしかしてあんたも流星受けるの?」
「いや…俺は頭そこまで良くないし…知り合いがそこを受けるから知ってるだけ」
「ふーん。でも知り合いのその女の子と同じ流星にあんたも行きたいわけだ」
「えっ、何でそれを!?」
「女の勘ってやつだよ。
あと、あんたって何か重大な秘密を隠してるよね?」
「えっ……」
俺は彼女の鋭い質問により汗が滴り落ちていた。
「私こう見えて結構勘が鋭いんだよね!
あっ、もし良かったらあんたの勉強見てあげても良いよ」
「俺の勉強を?」
「そうそう!私があんたの勉強を見て流星に連れて行ってあげるよ!」
俺に手を差し伸べる彼女の姿はたくましく輝いていた。
「ちょっと待って!俺が流星って!?」
「その変わりにあんたが流星に行けたら私にあんたの秘密を教えてよね!」
「秘密なんてそんな…」
「今やらないといつまで経っても変わらないよ…大人になっても…」
この彼女のささやきに鳥肌が立った。
俺の心のどこかに大人になっても、あの同窓会で何とか出来るんじゃないかと思っていたからだ。
「えっ…君は一体…」
「私は水泳部の風岡美波!一緒に流星学園に行こう!!」
こうして俺と美波による高校受験が始まるのだった。
俺は時の流れに流され今も変わらない日々を過ごしている。
俺は今になってこう思う。
――タイムリープ――
と言う奇跡が起きようと、これまで歩んできた日々を変える事が出来るのは、物語の主人公のような特別な人間なだけなんだと。
そんな俺は中学3年生になっていた。
小学5年の終業式の日に戻った後、夢や幻ではなく目覚めて元の時代に戻ることはなく、2度目の子供の時間を歩んでいた。
もちろんその間、初恋の相手である星空雪菜との運命を変えようとしたもののクラスの違いや、運命と言う決められた時の流れに逆らう事が出来ずに、ただ時間だけが過ぎ去っていた。
「星空さん、流星学園に進学するの?凄すぎるんだけど」
俺が中学の廊下を歩いている時こう耳に飛び込んできた。
そう。あの星空雪菜が進学するという高校は文武両道であり偏差値も全国的に見てかなり高い位置にある高校だった。
「(…うっそうだったか。流星学園に進学するとなるともうどうにも出来なくなるなぁ)」
ようやく俺にも焦りが出てきていた。
「(とは言え俺の今の学力ではどうしようも出来ないしなぁ)」
タイムリープしてからずっと勉強漬けの毎日を過ごしてきたのならともかく、今さらどう足掻いても仕方ない状況に陥っていた。
「(ならやっぱりこの1年の間に何とかしなければいけないのかなぁ…)」
と、悶々と考えていた次の瞬間だった――
「行ったぞ!柿沢」
「…えっ?」
――そう。今は体育の授業で男子はサッカーをしていた。
俺の目の前にボールが飛んできて、前から別の生徒がボールを取りに突っ込んできていた。
「危ないっ!」
前からスライディングしてきた生徒とぶつかってしまった。
スライディングしてきた生徒は無事だったが、俺はその場に倒れ込み膝にかすり傷を負った。
「おい、保健室に行ってきなさい」
そう担当教員から言われた俺は自分の落ち度と言うこともあり、付き添いなどなく一人で保健室に向かうことに。
「あっ、消毒液切らしてるからちょっと待ってて」
そう保健室の先生から言われた。
保健室なのに消毒液が無いことなんてあるのか?と思いつつ若くて美人な先生なら許しちゃおうと考えていた時だった。
「柿沢くんの消毒液買ってくるけどまだここに居る?」
「えっ~先生話し聞いてくれるって言ったじゃん」
どうやら保険室には保険の先生と俺以外にベッドの方に、もう一人誰かが居てるみたいだった。
「私の大事な進路の話しなのに」
「だから言ってるじゃない。あなたの学力なら流星学園が一番良いんじゃないかって」
「(えっ!?流星学園?星空さんと同じ高校じゃん。そんな優等生が他にも居たなんて…)」
「また後で聞くからちょっと待っててね」
そう言って俺の消毒液を買いに保険の先生は出ていった。
――次の瞬間――ピシャッ!とカーテンが開きカーテンの中の女子生徒が出てきて俺の方へと向かってきた。
「もう!あんたが来るから先生出て行っちゃったじゃない!せっかく大事な私の進路相談の時間だったのに」
そう見下してくる様子は物凄い威圧感だった。
身長も高く、中学にしては派手で長い髪を揺らし俺に迫りくる。
まるで歌舞伎の長い髪を揺らす演目を見てるようだった。
「ご…ごめん」
凄い威圧感があると人間は自然と謝ってしまう生き物なのかも知れない。
「まぁ良いわ。仕方ないからあんたで我慢してあげるわ」
そう言いながら俺の隣の椅子に座る謎の彼女。
彼女は横に座ると可愛らしい顔立ちである美少女だった。
正直言って前回の人生では、この子と出会うこんなシチュエーションは記憶に無かった。
と言うことは、俺が体育の時にボーッとして考え込んでいたのが新たなこの出逢いに繋がったって事なのか…?
「ねぇ!ちょっとあんた聞いてるの?」
「あっ…うん。もちろん。流星学園に行こうか迷ってるって話しだよね」
「そうそう先生も流星が良いって薦めるんだけど――」
「でも流星って頭良くなかったら行けないんだよね?行ける力があるなら行くべきだと思うけど?」
「あんた流星のことよく知ってるね!もしかしてあんたも流星受けるの?」
「いや…俺は頭そこまで良くないし…知り合いがそこを受けるから知ってるだけ」
「ふーん。でも知り合いのその女の子と同じ流星にあんたも行きたいわけだ」
「えっ、何でそれを!?」
「女の勘ってやつだよ。
あと、あんたって何か重大な秘密を隠してるよね?」
「えっ……」
俺は彼女の鋭い質問により汗が滴り落ちていた。
「私こう見えて結構勘が鋭いんだよね!
あっ、もし良かったらあんたの勉強見てあげても良いよ」
「俺の勉強を?」
「そうそう!私があんたの勉強を見て流星に連れて行ってあげるよ!」
俺に手を差し伸べる彼女の姿はたくましく輝いていた。
「ちょっと待って!俺が流星って!?」
「その変わりにあんたが流星に行けたら私にあんたの秘密を教えてよね!」
「秘密なんてそんな…」
「今やらないといつまで経っても変わらないよ…大人になっても…」
この彼女のささやきに鳥肌が立った。
俺の心のどこかに大人になっても、あの同窓会で何とか出来るんじゃないかと思っていたからだ。
「えっ…君は一体…」
「私は水泳部の風岡美波!一緒に流星学園に行こう!!」
こうして俺と美波による高校受験が始まるのだった。
