私はなぜ彼に冷たく当たってしまったのか分からないでいた。
いや、分からないフリをしていたのかも知れない。
――数日前。
「ねぇ…前から気になってたんだけど…星空さんって」
そう言って私は星空さんの耳元に向かってこうささやいた。
「好きな人居てる?」
「えっ?急にどうして??」
急な質問に驚いた様子の星空さんだった。
それはそうだ。こんな質問をされたら私だって驚く。
でも…柿沢の目的の為には星空さんにこの質問を問い掛けないといけなかった。
私がやらないと…って想いでいっぱいだった。
「実はね…さっきチョーカッコいい人と2人で話してたからもしかして?とか思ったり」
「あぁそれで。見られてたんだ。あれはただの一緒のスケートリンクで練習している先輩だよ。さっきはスケートのことでアドバイスをもらってて」
「そうだったんだ。それを聞いたら柿沢も安心すると思うよ」
と、星空さんに笑顔を見せたつもりだったが…。
あれ…私なんか顔が引きつってる…?
なんで…?
私は分からなくなっていた。
自分の…柿沢が喜ぶ答えを星空さんから聞けたはずなのに…
「えっ…柿沢くんが?私のことそんなに気にしているの…?」
あっ、分かりやすく言い過ぎたかな?
いや、これはチャンスでしょ。
ここで柿沢の気持ちを星空さんにアピールして上げれば最高のアシストに…なるは…ず。
「じ、じつはね…柿沢は…」
私は彼女に柿沢の気持ちを伝えようとしていた。
「柿沢は…」
「…うん」
これで伝えたら…。
柿沢の気持ちが…
柿沢が…星空さんのことを好きな気持ちが…伝わる。
「柿沢は星空さんのこと…。
好きだって気が私はしてる…」
私は凄く回りくどい言い方をした。
「本当に…?あのね風岡さんにこう言うこと言って良いのか分からないのだけど…」
星空さんが何かをおもむろに話そうとしていた。
「実はね…私の初恋って…
――柿沢くんだったの」
……なんだ。
星空さんと柿沢って両想いじゃん。
柿沢良かったじゃん。
それじゃあ私が手助けなんてする必要ないよね。
ってことは…
それなら…もう私なんて必要ないのかな。
喜ぶはずの状況なのに急に柿沢が遠くに行ってしまった気がして悲しい気持ちになった。
「でもね、今は――」
私は彼女の話しを途中で遮った。
「――良かった!私2人のこと応援してるから!上手くやりなよ~」
そう言って足早に席に戻ろうとした。
「風岡さん。ちょっと待って。私の話を――」
そんな私を呼び止めようと声を掛けられたが。
「ごめん。もう授業始まっちゃうよ。また…ね」
私はもう一度笑顔でそう答えた。
私の中では完璧な笑顔を作れている自信があった。
ただ、長時間彼女の前に居るとその笑顔が崩れてしまう気がして、私から話し掛けて申し訳ない気持ちもありながらも、彼女の近くから早く離れたかった。
私が席に戻ったとたん柿沢はすぐに星空さんとの話の内容を聞いてきた。
「どうだった?」
「あっ…うん。あんたの勘違いだった。ただの杞憂ってこと」
言わなきゃ…。
星空さんの初恋相手が柿沢だってこと。
「どういうこと?」
「あのカッコいい人は3年生の先輩で星空さんと同じスケートリンクで練習する仲間なんだって。それでスケートについてアドバイスをもらってたって言ってたよ」
言わなきゃ……。
「なんだ。そうだったんだ。でもさ、同じスケートリンクにあんなカッコいい人が居るなら好きになったりしてもおかしくないよね?てか、星空さんと結婚した相手ってもしかして――」
でも言ったら…言ったら。
言ったら…星空さんと柿沢は…
あぁーもう何なの?この感じ!
あぁーもう知らない!知らない!!
「もう!そこまで私は知らないわよ!そんな未来の事なんてさすがの私でも聞けるわけないじゃない。気になるなら自分で聞いたら?」
「そんな急にキレなくても…」
そう。私はキレていた。
柿沢の恋を素直に応援することが出来ない自分に対して…。
そして、そのやりきれない感情のはけ口として柿沢に当たってしまったことを酷く後悔していたのだった。
――そして柿沢と微妙な空気になってから数日が経っていた。
はぁ…こうやって柿沢と話さなくなっていくのかな。
でも私が離れた方が柿沢にとってもいいのかな…
「ねぇ、今日もお昼一緒にいいかな?」
そんな落ち込んでいた私に星空さんが変わらず誘ってくれた。
「うん。もちろん。今日も星空さんの分作ってきたよ」
そう言って私たちはいつもの中庭に行き一緒にお昼ご飯を食べ始めた。
「ねぇ、最近柿沢くんと星空さんって一緒に居ないよね。お昼も一緒に食べなくなったし何かあったかなぁって」
流石の星空さんも私たちの事に気付き始めていた。
「えっ…別に特別なにかあったって訳じゃないんだけどね」
「そうなんだ。あのね…この前の話の続きなんだけど…」
なにやら話しにくそうにしている星空さんを見て直感した。
この前とは柿沢への想いの話しをしようとしているのだと。
私は深呼吸をして心を落ち着かせて彼女の話を聞くことにした。
「私ね、もうね今は柿沢くんのこと何とも思ってないから。だからね私の事は気にしないで大丈夫だよ。そのこときのう柿沢くんにも伝えたから」
「どうしてそんなこと私に…」
「どうしてだろうね。でも何となくわかるから。私もそうだったから、ね」
あぁ…何て優しい子なんだろう。これは柿沢も好きになるよね。
柿沢の見る目は間違ってないよ。
それに私は…柿沢のこと。
「星空さんありがとう。でもね私は柿沢のあることを応援する為に一緒に居るんだ。だから柿沢がそのことで私を必要としてくれる限り私は柿沢の力になるつもりなだけ。それ以上なことはないから」
柿沢の好きな人は今でもそうだから…。
私はそんな柿沢の…それにこれだけ気遣ってくれる星空さんの架け橋にならなくちゃ。
私は何かが吹っ切れたようにスッキリとした気がした。
この時は…。
いや、分からないフリをしていたのかも知れない。
――数日前。
「ねぇ…前から気になってたんだけど…星空さんって」
そう言って私は星空さんの耳元に向かってこうささやいた。
「好きな人居てる?」
「えっ?急にどうして??」
急な質問に驚いた様子の星空さんだった。
それはそうだ。こんな質問をされたら私だって驚く。
でも…柿沢の目的の為には星空さんにこの質問を問い掛けないといけなかった。
私がやらないと…って想いでいっぱいだった。
「実はね…さっきチョーカッコいい人と2人で話してたからもしかして?とか思ったり」
「あぁそれで。見られてたんだ。あれはただの一緒のスケートリンクで練習している先輩だよ。さっきはスケートのことでアドバイスをもらってて」
「そうだったんだ。それを聞いたら柿沢も安心すると思うよ」
と、星空さんに笑顔を見せたつもりだったが…。
あれ…私なんか顔が引きつってる…?
なんで…?
私は分からなくなっていた。
自分の…柿沢が喜ぶ答えを星空さんから聞けたはずなのに…
「えっ…柿沢くんが?私のことそんなに気にしているの…?」
あっ、分かりやすく言い過ぎたかな?
いや、これはチャンスでしょ。
ここで柿沢の気持ちを星空さんにアピールして上げれば最高のアシストに…なるは…ず。
「じ、じつはね…柿沢は…」
私は彼女に柿沢の気持ちを伝えようとしていた。
「柿沢は…」
「…うん」
これで伝えたら…。
柿沢の気持ちが…
柿沢が…星空さんのことを好きな気持ちが…伝わる。
「柿沢は星空さんのこと…。
好きだって気が私はしてる…」
私は凄く回りくどい言い方をした。
「本当に…?あのね風岡さんにこう言うこと言って良いのか分からないのだけど…」
星空さんが何かをおもむろに話そうとしていた。
「実はね…私の初恋って…
――柿沢くんだったの」
……なんだ。
星空さんと柿沢って両想いじゃん。
柿沢良かったじゃん。
それじゃあ私が手助けなんてする必要ないよね。
ってことは…
それなら…もう私なんて必要ないのかな。
喜ぶはずの状況なのに急に柿沢が遠くに行ってしまった気がして悲しい気持ちになった。
「でもね、今は――」
私は彼女の話しを途中で遮った。
「――良かった!私2人のこと応援してるから!上手くやりなよ~」
そう言って足早に席に戻ろうとした。
「風岡さん。ちょっと待って。私の話を――」
そんな私を呼び止めようと声を掛けられたが。
「ごめん。もう授業始まっちゃうよ。また…ね」
私はもう一度笑顔でそう答えた。
私の中では完璧な笑顔を作れている自信があった。
ただ、長時間彼女の前に居るとその笑顔が崩れてしまう気がして、私から話し掛けて申し訳ない気持ちもありながらも、彼女の近くから早く離れたかった。
私が席に戻ったとたん柿沢はすぐに星空さんとの話の内容を聞いてきた。
「どうだった?」
「あっ…うん。あんたの勘違いだった。ただの杞憂ってこと」
言わなきゃ…。
星空さんの初恋相手が柿沢だってこと。
「どういうこと?」
「あのカッコいい人は3年生の先輩で星空さんと同じスケートリンクで練習する仲間なんだって。それでスケートについてアドバイスをもらってたって言ってたよ」
言わなきゃ……。
「なんだ。そうだったんだ。でもさ、同じスケートリンクにあんなカッコいい人が居るなら好きになったりしてもおかしくないよね?てか、星空さんと結婚した相手ってもしかして――」
でも言ったら…言ったら。
言ったら…星空さんと柿沢は…
あぁーもう何なの?この感じ!
あぁーもう知らない!知らない!!
「もう!そこまで私は知らないわよ!そんな未来の事なんてさすがの私でも聞けるわけないじゃない。気になるなら自分で聞いたら?」
「そんな急にキレなくても…」
そう。私はキレていた。
柿沢の恋を素直に応援することが出来ない自分に対して…。
そして、そのやりきれない感情のはけ口として柿沢に当たってしまったことを酷く後悔していたのだった。
――そして柿沢と微妙な空気になってから数日が経っていた。
はぁ…こうやって柿沢と話さなくなっていくのかな。
でも私が離れた方が柿沢にとってもいいのかな…
「ねぇ、今日もお昼一緒にいいかな?」
そんな落ち込んでいた私に星空さんが変わらず誘ってくれた。
「うん。もちろん。今日も星空さんの分作ってきたよ」
そう言って私たちはいつもの中庭に行き一緒にお昼ご飯を食べ始めた。
「ねぇ、最近柿沢くんと星空さんって一緒に居ないよね。お昼も一緒に食べなくなったし何かあったかなぁって」
流石の星空さんも私たちの事に気付き始めていた。
「えっ…別に特別なにかあったって訳じゃないんだけどね」
「そうなんだ。あのね…この前の話の続きなんだけど…」
なにやら話しにくそうにしている星空さんを見て直感した。
この前とは柿沢への想いの話しをしようとしているのだと。
私は深呼吸をして心を落ち着かせて彼女の話を聞くことにした。
「私ね、もうね今は柿沢くんのこと何とも思ってないから。だからね私の事は気にしないで大丈夫だよ。そのこときのう柿沢くんにも伝えたから」
「どうしてそんなこと私に…」
「どうしてだろうね。でも何となくわかるから。私もそうだったから、ね」
あぁ…何て優しい子なんだろう。これは柿沢も好きになるよね。
柿沢の見る目は間違ってないよ。
それに私は…柿沢のこと。
「星空さんありがとう。でもね私は柿沢のあることを応援する為に一緒に居るんだ。だから柿沢がそのことで私を必要としてくれる限り私は柿沢の力になるつもりなだけ。それ以上なことはないから」
柿沢の好きな人は今でもそうだから…。
私はそんな柿沢の…それにこれだけ気遣ってくれる星空さんの架け橋にならなくちゃ。
私は何かが吹っ切れたようにスッキリとした気がした。
この時は…。
