「ところでね柿沢くん。私と初めて会った時のことって覚えてる?」
「えっ…初めて会ったとき…」
「うん。あの小学5年生の私が転校した日のこと」
正直あの日はかなり緊張していたことや、2度目の人生を突っ走っている今の俺の記憶からは、かなりの月日が経ってる事もありハッキリとは覚えていなかった。
ただ…あの心のざわめきが自分の身に初めて起こった事以外は。
「何かかなり素っ気ない返事しちゃったのは覚えてる…第一印象悪かったんじゃない?」
「全然そんなことないよ。私も緊張してて素っ気ない感じだったかも。それにね…私あの時病気でお父さんを亡くしたばっかりで」
「えっ…そうだったんだ」
「実はね幼い頃にお母さんも亡くしてて今はお父さんのお兄さんの所でお世話になってるんだけどね…」
「それじゃあなかなか心が休まらないよね」
「ううん。伯父さんも伯母さんも優しいし私の好きなスケートも続けさせてくれてるんだけど、2人ともお仕事で忙しいのがね。あの頃は特に寂しくて…そんな時にね雪菜の前に現れた救世主がそう。柿沢くんでした」
「えっ…俺が救世主?俺、星空さんになんかしたっけ?」
「教科書忘れたり筆記具忘れたり…」
「忘れ物ばっかりじゃん」
クスクスと笑う星空さん。
「でもねそうやって一緒に教科書読んだり筆記具を貸したりするのがもうドキドキで…」
「それって…」
「そうです。私の初恋の相手はいま目の前に居る柿沢くん。あなたです」
こうやって照れつつ俺の方を見つめながら話すその姿。
俺は初恋相手に告白されてるのか…。
状況が理解できずにしばらく固まっていた。
「……あの俺も――」
そう言い掛けた俺だったが一足遅かった。
「――ごめんね。変な空気になって。でも昔の話しだよ。もう私たちは高校生になったんだもんね。
いつまでも小学生の頃の想いを引きずってたらダメだなぁって思ってて。
いまが丁度いい機会だと思って。
柿沢くんに思いきって打ち明けてスッキリしようと思ったの。だからこれからも良い友達として付き合って欲しいなって」
「そうだよね…昔の話しだもんね」
ハキハキとした表情で話す彼女を見てると、俺の本心は言えなかった。
今でも彼女が好きだってことを。
俺は【初恋】のタイムリミットが永遠でないことを痛感した瞬間だった。
「今日は少し暗い話しとかしちゃってごめんね。でもこうやって色々と回れて楽しかった。今度は風岡さんも一緒に3人で行こうね。それじゃあまた明日学校で」
そう言って夕陽が沈みゆく帰り道。
手を振って帰っていく彼女を俺はいつまでも眺めていた。
星空さんと2人で出掛けるのは恐らくこれが最初で最後になるであろうと思いながら。
「(あ~何でこうなったんだろう。今は風岡にも相談出来るような状態じゃないしなぁ…明日こそ風岡とゆっくり話して仲直りしないとなぁ)」
そう言いつつ俺は何か気の抜けた様子で家に帰り、いつものようにベッドへと横になった。
―――
「柿沢!ねぇ、柿沢!」
俺の部屋のはずなのになぜか風岡の声が響いていた。
寝ぼけ眼でゆっくりと目を開けていくと……
黒い服装を身にまとった風岡が立っていた。
「うわっ!?」
「ちょっと何よ!いくら寝起きだからって化け物を見るような反応をしなくてもいいじゃない」
「風岡がどうして俺の部屋に…てかちょっと老けた?」
「はぁっ!?いま何つった?最低~!私だって雪菜があんなことになってまだ立ち直ってないのに…冗談でもそんなこと言わないで」
冗談で言ったのではなく確かに老けたと言うか大人っぽくなった風岡が立っていたのだ。
「えっ…雪菜があんなことにって…どういう?星空さんに何かあったの!?」
俺は布団から身を乗り出して風岡に聞いた。
「あんた…もしかしてあまりのショックでおかしくなっちゃった?確かに氷堂先輩と星空さんが話してるだけで固まっちゃうぐらいだったから無理ないか…」
「おかしくと言うか、ちょっと記憶が曖昧なのは確かかも。最近の俺の事とか知ってること教えてくれないかな?」
そう言って俺はしばらく風岡から今のことや過去のことを聞いていった。
聞いたことを簡単に整理していくと俺は遂に風岡が気にしていた未来に戻ってしまっていたみたいだ。
そして、この未来でも変わらず星空さんは悲惨な死を迎えてしまっていた。
ただ、俺の知ってる未来と違うのは風岡に出逢い流星に進学した事や、風岡と星空さんが仲良くなっていたりと。
俺が数年間タイムリープした影響はそのまま反映されているようだった。
そしてこの日は流星学園での彼女とのお別れ会を行われる日だと言う。
これは小学校で行われる予定のお別れ会が、風岡の提案で流星学園でも行われるようになったという。
つまり俺のタイムリープしたことにより変更になったと言うことだった。
「早く着替えて行くよ」
「俺が…俺がもっと早く彼女の気持ちに気付いていれば…」
「ど、どうしたの?」
俺はいつの間にか大粒の涙を流していた。
そんな俺を見かねた風岡はそっと優しく抱き締めてくれるのだった。
「えっ…初めて会ったとき…」
「うん。あの小学5年生の私が転校した日のこと」
正直あの日はかなり緊張していたことや、2度目の人生を突っ走っている今の俺の記憶からは、かなりの月日が経ってる事もありハッキリとは覚えていなかった。
ただ…あの心のざわめきが自分の身に初めて起こった事以外は。
「何かかなり素っ気ない返事しちゃったのは覚えてる…第一印象悪かったんじゃない?」
「全然そんなことないよ。私も緊張してて素っ気ない感じだったかも。それにね…私あの時病気でお父さんを亡くしたばっかりで」
「えっ…そうだったんだ」
「実はね幼い頃にお母さんも亡くしてて今はお父さんのお兄さんの所でお世話になってるんだけどね…」
「それじゃあなかなか心が休まらないよね」
「ううん。伯父さんも伯母さんも優しいし私の好きなスケートも続けさせてくれてるんだけど、2人ともお仕事で忙しいのがね。あの頃は特に寂しくて…そんな時にね雪菜の前に現れた救世主がそう。柿沢くんでした」
「えっ…俺が救世主?俺、星空さんになんかしたっけ?」
「教科書忘れたり筆記具忘れたり…」
「忘れ物ばっかりじゃん」
クスクスと笑う星空さん。
「でもねそうやって一緒に教科書読んだり筆記具を貸したりするのがもうドキドキで…」
「それって…」
「そうです。私の初恋の相手はいま目の前に居る柿沢くん。あなたです」
こうやって照れつつ俺の方を見つめながら話すその姿。
俺は初恋相手に告白されてるのか…。
状況が理解できずにしばらく固まっていた。
「……あの俺も――」
そう言い掛けた俺だったが一足遅かった。
「――ごめんね。変な空気になって。でも昔の話しだよ。もう私たちは高校生になったんだもんね。
いつまでも小学生の頃の想いを引きずってたらダメだなぁって思ってて。
いまが丁度いい機会だと思って。
柿沢くんに思いきって打ち明けてスッキリしようと思ったの。だからこれからも良い友達として付き合って欲しいなって」
「そうだよね…昔の話しだもんね」
ハキハキとした表情で話す彼女を見てると、俺の本心は言えなかった。
今でも彼女が好きだってことを。
俺は【初恋】のタイムリミットが永遠でないことを痛感した瞬間だった。
「今日は少し暗い話しとかしちゃってごめんね。でもこうやって色々と回れて楽しかった。今度は風岡さんも一緒に3人で行こうね。それじゃあまた明日学校で」
そう言って夕陽が沈みゆく帰り道。
手を振って帰っていく彼女を俺はいつまでも眺めていた。
星空さんと2人で出掛けるのは恐らくこれが最初で最後になるであろうと思いながら。
「(あ~何でこうなったんだろう。今は風岡にも相談出来るような状態じゃないしなぁ…明日こそ風岡とゆっくり話して仲直りしないとなぁ)」
そう言いつつ俺は何か気の抜けた様子で家に帰り、いつものようにベッドへと横になった。
―――
「柿沢!ねぇ、柿沢!」
俺の部屋のはずなのになぜか風岡の声が響いていた。
寝ぼけ眼でゆっくりと目を開けていくと……
黒い服装を身にまとった風岡が立っていた。
「うわっ!?」
「ちょっと何よ!いくら寝起きだからって化け物を見るような反応をしなくてもいいじゃない」
「風岡がどうして俺の部屋に…てかちょっと老けた?」
「はぁっ!?いま何つった?最低~!私だって雪菜があんなことになってまだ立ち直ってないのに…冗談でもそんなこと言わないで」
冗談で言ったのではなく確かに老けたと言うか大人っぽくなった風岡が立っていたのだ。
「えっ…雪菜があんなことにって…どういう?星空さんに何かあったの!?」
俺は布団から身を乗り出して風岡に聞いた。
「あんた…もしかしてあまりのショックでおかしくなっちゃった?確かに氷堂先輩と星空さんが話してるだけで固まっちゃうぐらいだったから無理ないか…」
「おかしくと言うか、ちょっと記憶が曖昧なのは確かかも。最近の俺の事とか知ってること教えてくれないかな?」
そう言って俺はしばらく風岡から今のことや過去のことを聞いていった。
聞いたことを簡単に整理していくと俺は遂に風岡が気にしていた未来に戻ってしまっていたみたいだ。
そして、この未来でも変わらず星空さんは悲惨な死を迎えてしまっていた。
ただ、俺の知ってる未来と違うのは風岡に出逢い流星に進学した事や、風岡と星空さんが仲良くなっていたりと。
俺が数年間タイムリープした影響はそのまま反映されているようだった。
そしてこの日は流星学園での彼女とのお別れ会を行われる日だと言う。
これは小学校で行われる予定のお別れ会が、風岡の提案で流星学園でも行われるようになったという。
つまり俺のタイムリープしたことにより変更になったと言うことだった。
「早く着替えて行くよ」
「俺が…俺がもっと早く彼女の気持ちに気付いていれば…」
「ど、どうしたの?」
俺はいつの間にか大粒の涙を流していた。
そんな俺を見かねた風岡はそっと優しく抱き締めてくれるのだった。
