あなたとならもう一度~国の第一王子に愛されるまで~


「殺されたいんか?お嬢ちゃん」


ナイフを突きつけられるとなんだか心のどこかがひんやりした。

心の中にいる現世のエルが怖がっている様子。

ツーっと嫌な汗がこめかみを流れた。


「おい、何してるジル。」


独房の階段を下りてくる、新しい男性がやってきた。

重苦しい空気が漂う。


「なんやクロスさん。もう来たんか?」

「あぁ。お前が遊んでいる間にな」

「いやー、すんません」


さっきまでウキウキして人を眺めていたジルは、慌てふためいている。


「ここはいったい何の部屋だ」


クロス、と呼ばれる全身黒で身を固めている男性が、セリスに問いただした。


「あ、え、っと・・・妹の部屋、です・・・」

「それは本当か?」

「え、えぇ・・」

「そうか。家族を閉じ込めるという場所か」


クロスはにっこりと笑った。

その笑みは闇深いもの。

セリスは恐怖を感じる。