あなたとならもう一度~国の第一王子に愛されるまで~

あれからエルは、母親に髪の毛を引っ張られてまるで独房のような部屋に無理やり押し込まれた。

やり返そうと思えば思うほど、細くなって力がなくなっているエルにそんな反抗はできなかった。


「お前はしばらくそこにいなさい!お父様が戻られるまでお前に自由はないんだからね!!」


母親は大声をあげてそういった。

後を追うようにセリスがやってきて、大笑いしている。


「みすぼらしい!本当に私の妹なの!?はははっ!汚らしい妹とか最悪なんだけど!!」

「セリス見てはいけませんよ。穢れが移るからね」

「わかってるわお母様。だけど、かわいそうだからこれを持ってきてあげたの。ほら、受け取んな!!」


そういい、エルに投げつけられたのは大きなはさみ。

まるで自害しろと言われているようなものだ。


「使う方法はあんたに任せるわ、エル。ふふ。次に会えるのを楽しみにしているから」

「さ、戻るわよセリス。」

「そうねお母様」


楽しそうな表情を浮かべて二人はエルの前から姿を消した。

むしろ助かった、と思うエルだ。

何せ、長ったらしい髪の毛が邪魔だったからだ。

腰よりもずっと下の髪の毛を、真ん中あたりまでそのはさみで切ってみた。


「うん、楽だわ」