あなたとならもう一度~国の第一王子に愛されるまで~

「とにかくいいから早く支度して!ほんっとにぐずなんだから!!」

「・・・・はい」

エルは記憶がよみがえって怖いものはない。

だからこの親と呼べないようなやつに命令されて、心底腹立つが、考えることが多い故に今は従うことにした。

気に入らない。

この家族も、自分自身も、前世のアイルも、あの(おんな)も・・・・・。

















「まっずい!!!よくこんなもの私に出したわね!!」

「これで私とお姉ちゃんを殺すつもり!!??」

ガシャン、と持っていたスプーンをエルに投げつける二人。

「・・・だって作れと言ったではないか」


「いつもなら食べられるような料理なのになんなのよ!!」

「かわいそうなお姉ちゃんね。しかもなによその口にきき方は!」


(あ、やば。)

つい昔の話し方になってしまったエル。


気を付けないと、と心の中で考えていたエルだ。

それよりもこの穴あけの服が嫌だな、と脳内で一人騒いでいた。


「今日はお父様が返ってこない日だからってわざとまずいもの作ったんでしょ!」

「?」

「お母様、これは重大なことですよね。しっかり叱らねばですよ」

「そうねぇ、セリスは頭がいいわぁ」


(この現世の私の家族は馬鹿すぎて泣けてくるものだ・・・)


明らかに見下しているエル。

しかし今までを維持させるため、演技するかと諦めモードになるエルだった。