【資料0-E】新聞記事────
出典:○○新報(地方紙)
日付:大正十二年九月十五日
見出し:「奇跡の長寿村 灯之村を訪ねて」
○○県の山奥に、不思議な村があるという噂を聞きつけ、記者は灯之村を訪れた。
村に入ると、まず驚かされるのは老人の多さである。畑仕事をする白髪の老婆、薪を割る腰の曲がった翁。しかし彼らの動きは驚くほど機敏で、とても八十、九十の老人とは思えない。
村長の山田氏(七十二歳)に話を聞いた。「当村には九十歳以上の者が二十名以上おります。百歳を超える者も三名。特別なことは何もしておりません。水が良いのと、皆で助け合って暮らしているだけです」
村には独特の挨拶がある。来訪者に対し、村人たちは両手を差し出して迎える。掌を上に向け、何かを捧げるような仕草だ。記者も何度となくこの挨拶を受けた。「お客様への感謝の気持ちを表しているのです」と村長は説明したが、どこか言葉を濁しているようにも見えた。
滞在中、記者は一度も病人を見かけなかった。診療所すらない村で、なぜこれほど健康な老人が多いのか。その謎は、結局解けないままであった。
なお、帰京後、記者は三日間の発熱に悩まされた。医師は「旅の疲れでしょう」と言ったが、妙に気にかかる。
(記者・田中)
出典:○○新報(地方紙)
日付:大正十二年九月十五日
見出し:「奇跡の長寿村 灯之村を訪ねて」
○○県の山奥に、不思議な村があるという噂を聞きつけ、記者は灯之村を訪れた。
村に入ると、まず驚かされるのは老人の多さである。畑仕事をする白髪の老婆、薪を割る腰の曲がった翁。しかし彼らの動きは驚くほど機敏で、とても八十、九十の老人とは思えない。
村長の山田氏(七十二歳)に話を聞いた。「当村には九十歳以上の者が二十名以上おります。百歳を超える者も三名。特別なことは何もしておりません。水が良いのと、皆で助け合って暮らしているだけです」
村には独特の挨拶がある。来訪者に対し、村人たちは両手を差し出して迎える。掌を上に向け、何かを捧げるような仕草だ。記者も何度となくこの挨拶を受けた。「お客様への感謝の気持ちを表しているのです」と村長は説明したが、どこか言葉を濁しているようにも見えた。
滞在中、記者は一度も病人を見かけなかった。診療所すらない村で、なぜこれほど健康な老人が多いのか。その謎は、結局解けないままであった。
なお、帰京後、記者は三日間の発熱に悩まされた。医師は「旅の疲れでしょう」と言ったが、妙に気にかかる。
(記者・田中)
