灯之村発熱事件 記録集

【資料0-B】古文書────

 出典:灯之村役場所蔵『村方覚書』
 推定成立年代:江戸時代後期(文化・文政年間)
※原文は変体仮名・漢文混じり。現代語訳を付す


【原文】(一部抜粋)

 客人來リタル時ハ 必ズ火ヲ渡スベシ
 両ノ掌ヲ差シ出シ 心ヨリ火ヲ送ルベシ
 客人ハ之ヲ受クルノミニテ 返スコト能ハズ
 此ノ定メヲ破リタル者ハ 村ヨリ追放ス

【現代語訳】

 客人(よそ者)が来たときは、必ず火を渡すこと。
 両手の掌を差し出して、心から火を送ること。
 客人はこれを受け取るのみで、返すことはできない。
 この定めを破った者は、村から追放する。

【編者注】

 この「火を渡す」という記述が、現在の「挨拶」の起源であると推測される。しかし、何を「火」と呼んでいるのか、なぜ客人は「返すことができない」のかについては、この文書からは読み取れない。

 また、「村より追放す」という厳しい罰則が設けられていることから、この風習が村にとって極めて重要なものであったことがわかる。