長年版 夏1続き

 私には、余命が後一ヶ月しかないらしい。そう告げられた。まだ17年しか生きていないのに。これは神様が選んだ選択とでも言うべきなの?

 考え事をしながら、学校の階段を登る。正直屋上についたらそのまま飛び降りてしまいたい。
 一ヶ月、何か思い出を作るときっと心残りが生まれてしまうから、さっさとこの世から消えたほうがマシだと思った。

(もう少しで屋上だ)

 階段を上がり切った先にあるドアノブに手をかければ、一面に広がるのは曇りない青空で、風が前髪を撫でる。つい最近まではジメジメしていた風が今は気持ちよく感じる。
 
 「本当に、このまま飛び降りてしまおうかな」

 なんて、目の前のフェンスの高さを見れば体の弱い私は飛び降りることはちょっと厳しい。
 屋上はとても気持ちがいい。一人でいられるから、誰にも迷惑をかけないで残りの一ヶ月を過ごせる。

 そう思っていた。私がそんな考え事をした直後、目の前に広がる光景に驚きを隠せなかったのは言うまでもなかった。
 一人、随分と曇った顔でフェンスに上る男子生徒がいた。靴の色で一個上の先輩ということがわかる。

 今からあの人は死ぬのだろうか。何か未練がありそうな、そんな気がする。それでも死にたいようなキッカケでもあったのか。
 未来がない私。それなら少し最後に人助けでもしてみようと思った。お節介だと言われるかもしれないが、未来がまだあるのに目の前で死なれるのは嫌だ。だから私は、彼の腕を引っ張った。