静岡県立安久中学校にて行われた実験の記録

【学級担任日誌】
記載者  :森下明文
所属   :静岡県立安久中学校
担当学級 :2年2組
授業年月日:7月12日(火曜日)
出席生徒数:29名
欠席生徒数:なし
早退生徒数:なし
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特記要項:生徒会長の横山と話をしようかと思ったのだが、ある不可解な理由から叶わなかった。

感想等:生徒会長の横山が計画していた、自身と同じ考えの者を集めて学校に対して抗議を行おうという動き。しかしどうやら学校側からすでに目をつけられてしまっていると私は確信したので、それを一旦中断するよう横山に話をしに行こうと思っていた。ところが、当の横山はしばらく学校に姿を現しておらず、欠席が続いている旨が学校出席簿に記載されていた。それだけなら彼の体調を心配するだけなのだが、そこに不可解な理由が重なっているのだ。というのも横山に親しい友人からの話では、”欠席”ではなく”行方不明”になっているということなのだ。どういうことかと言うと、学校側は横山の事を欠席だと記録し、他の生徒たちにもそう説明しているのだが、横山の事を心配した友人たちが横山に対して個人的にメッセージを送っても全く返ってこなかったり、あるいは自宅まで声をかけに行っても姿がなかったりして、まるで消えてしまったかのようになっているというのだ。その話を聞いた私は、もしかしたら横山が自宅に引きこもってしまっているのかも知れないと思い、教員用連絡簿から彼の自宅に電話をかけ、話を聞いてみることとした。電話には彼の母親が出てくれたので、私は事情を話したうえで「横山大地は自宅にいますか?」と質問した。すると母親から、「しばらく家には帰ってきていない。だから姿も見ていない」との返事があった。その口調があまりにも無機質で無感情であったので、私はすかさず「心配じゃないのですか?」と聞いてみたところ、母親は「いないけど、いるので」などと不可解な回答を行い、それについて私が「どういうことですか?」等と質問を重ねても、明快な答えを得ることはできなかった。
これは非常に嫌な予感がするので、金田や大久保らには明日私の方から余計なことはしないようにと警告を行うことに決めた。なにかに巻き込まれてしまってからでは遅いのだから。