「これでお終いにしましょう」
霊力を腕輪に集中させ、光で魔物を覆う。真知が放つ霊力の光に包まれた魔物は凶暴さを失い、静かに目を閉じて光の粒となって消え去った。
「これって、浄化?お姉様は魔物を浄化出来るというの?」
魔物が現れた頃は祓い屋も異能者も浄化で討伐をしていたが、力が増す魔物に対して力不足になり、確実に滅する方法で戦ってきた。
真知の霊力は上級のあやかしでも浄化の力が通じる。十四年の沈黙から解放された霊力はまさに時代を動かす光となることだろう。
(鈴に亀裂が入っている。魔物とはこれ程までに力を持っているのね)
ボロボロになった腕輪を懐にしまう。するとまだ解除していない結界の中で、魔物よりも大きな力を背後に感じ、振り向くとそこにはあの男が立っていた。
「鬼神様…!」
「無理をさせてしまったな。だが見事だった」
「お褒めに預かり光栄です」
(これで、良かったのよね?…真鈴。真鈴は無事かしら)
真鈴の安否を確認するために辺りをキョロキョロと見渡す。するとパチパチと拍手をする音が聞こえてきた。
「素晴らしかったよ真知」
「お父様…?」
吉武は満面の笑みで真知に近づいてきた。
「お前があれ程までに強い霊力をもっていたとは。何故今まで隠していた。いや、そんな事はどうでもいい。屋敷へ戻ったらすぐに優秀な祓い人になるべく修行を始めよう。なぁ、おまえ」
「えぇ。真知、あなたが優秀であたしも吉武さんも誇らしいわ。しかも鬼神様に褒められるなんて。さすが伊澄家の長女だわ〜」
(あぁ…なんて惨めな)
吉武に続き、文代も真知の力に感激しているが、白々しさが滲み出てる。両親の見苦しい姿を見て真知は笑い出してしまいそうだった。今更褒めの言葉を与えられたところで鬱陶しいだけだ。
十四年の間、実の娘を無能の人形と称し、行き場のない怒りをぶつけ、人間として扱ってくれなかった両親に呆れをなしている。
「お二人にとって、私は大切な娘なんかじゃありません。無能な人形なのでしょう?」
「な、何を言っておる?鬼神様と帝も聞いているではないか。それだけじゃない。他の一族だっている。お前は立場というものを分かっているのか!?」
「十四年もの間、私を離に閉じ込め、行き場のない怒りをぶつけてきたではありませんか。私はただ、お父様たちと真鈴と共に、普通の家族として平穏な日々を送りたかった。それなのにあなたたちは実の娘を虐げ、身体的にも精神的にも追い詰め、自分の欲望のために道具としてしか接してくれなかった…」
「…はぁー。お前たちは伊澄家の娘なのだからどう扱おうと当主である、わしの勝手だ。大人しく父に従っていればいいものの。真知、お前は霊力を持っていたがやはり無能はどこまでも無能だな」
呆れる吉武と文代を前に真知はもう、何も思わない。心をしまい込み、その表情はピクリとも動かなくなる。
(悲しいなんて思わない。だって期待なんてしていないもの。力があっても従わなければ無能なら、いっその事、何もかも捨ててしまいたい)
「おい、真鈴を連れてこい。屋敷に連れ帰り、この無能と共に躾を行う」
「は、はい!」
文代が真鈴抱え、吉武が真知の腕を掴んだ次の瞬間、炎が二人を目掛けて放たれた。
「きゃぁぁぁ!!」
「な、何だ!?はっ!貴様、どういうつもりだ鬼神!!」
炎の正体は鬼神が繰り出した異能。烈火の炎は舞台の周りに燃え上がる。
「伊澄吉武、並びに文代。貴様たちこそ、実の子に対して躾とはどういうことだ?悪いがその姉妹は俺が預かる」
「何を勝手に。俺の子供だ。どうしようと俺の勝手だ。あやかしごときが調子に乗るな…!!」
掴んでいる腕を怒りで力の限り強く握り。霊力を使い果たし、痛みすら感じない真知はされるがまま揺れ動く。
「子を物扱いするような貴様に、彼女たちを育てる資格などない。その万事に値する行為、許しておけぬ!!」
再び炎が吉武と文代に向かってに放たれた。炎を避けて真知と真鈴は二人の手から離れると、鬼神が目にも止まらぬ速さで抱えられる。
「この二人は俺が預かる。それで良いな?吉武」
苦虫を噛み潰したような表情で吉武たちは雪華祭の会場を出る。
「これでもう、苦しむことはない。鬼神の名にかけて、君たち姉妹を必ず護ると誓おう。真知、試すような真似をしてすまなかった。だが君は本当によく頑張った。あとは任せろ」
霊力を腕輪に集中させ、光で魔物を覆う。真知が放つ霊力の光に包まれた魔物は凶暴さを失い、静かに目を閉じて光の粒となって消え去った。
「これって、浄化?お姉様は魔物を浄化出来るというの?」
魔物が現れた頃は祓い屋も異能者も浄化で討伐をしていたが、力が増す魔物に対して力不足になり、確実に滅する方法で戦ってきた。
真知の霊力は上級のあやかしでも浄化の力が通じる。十四年の沈黙から解放された霊力はまさに時代を動かす光となることだろう。
(鈴に亀裂が入っている。魔物とはこれ程までに力を持っているのね)
ボロボロになった腕輪を懐にしまう。するとまだ解除していない結界の中で、魔物よりも大きな力を背後に感じ、振り向くとそこにはあの男が立っていた。
「鬼神様…!」
「無理をさせてしまったな。だが見事だった」
「お褒めに預かり光栄です」
(これで、良かったのよね?…真鈴。真鈴は無事かしら)
真鈴の安否を確認するために辺りをキョロキョロと見渡す。するとパチパチと拍手をする音が聞こえてきた。
「素晴らしかったよ真知」
「お父様…?」
吉武は満面の笑みで真知に近づいてきた。
「お前があれ程までに強い霊力をもっていたとは。何故今まで隠していた。いや、そんな事はどうでもいい。屋敷へ戻ったらすぐに優秀な祓い人になるべく修行を始めよう。なぁ、おまえ」
「えぇ。真知、あなたが優秀であたしも吉武さんも誇らしいわ。しかも鬼神様に褒められるなんて。さすが伊澄家の長女だわ〜」
(あぁ…なんて惨めな)
吉武に続き、文代も真知の力に感激しているが、白々しさが滲み出てる。両親の見苦しい姿を見て真知は笑い出してしまいそうだった。今更褒めの言葉を与えられたところで鬱陶しいだけだ。
十四年の間、実の娘を無能の人形と称し、行き場のない怒りをぶつけ、人間として扱ってくれなかった両親に呆れをなしている。
「お二人にとって、私は大切な娘なんかじゃありません。無能な人形なのでしょう?」
「な、何を言っておる?鬼神様と帝も聞いているではないか。それだけじゃない。他の一族だっている。お前は立場というものを分かっているのか!?」
「十四年もの間、私を離に閉じ込め、行き場のない怒りをぶつけてきたではありませんか。私はただ、お父様たちと真鈴と共に、普通の家族として平穏な日々を送りたかった。それなのにあなたたちは実の娘を虐げ、身体的にも精神的にも追い詰め、自分の欲望のために道具としてしか接してくれなかった…」
「…はぁー。お前たちは伊澄家の娘なのだからどう扱おうと当主である、わしの勝手だ。大人しく父に従っていればいいものの。真知、お前は霊力を持っていたがやはり無能はどこまでも無能だな」
呆れる吉武と文代を前に真知はもう、何も思わない。心をしまい込み、その表情はピクリとも動かなくなる。
(悲しいなんて思わない。だって期待なんてしていないもの。力があっても従わなければ無能なら、いっその事、何もかも捨ててしまいたい)
「おい、真鈴を連れてこい。屋敷に連れ帰り、この無能と共に躾を行う」
「は、はい!」
文代が真鈴抱え、吉武が真知の腕を掴んだ次の瞬間、炎が二人を目掛けて放たれた。
「きゃぁぁぁ!!」
「な、何だ!?はっ!貴様、どういうつもりだ鬼神!!」
炎の正体は鬼神が繰り出した異能。烈火の炎は舞台の周りに燃え上がる。
「伊澄吉武、並びに文代。貴様たちこそ、実の子に対して躾とはどういうことだ?悪いがその姉妹は俺が預かる」
「何を勝手に。俺の子供だ。どうしようと俺の勝手だ。あやかしごときが調子に乗るな…!!」
掴んでいる腕を怒りで力の限り強く握り。霊力を使い果たし、痛みすら感じない真知はされるがまま揺れ動く。
「子を物扱いするような貴様に、彼女たちを育てる資格などない。その万事に値する行為、許しておけぬ!!」
再び炎が吉武と文代に向かってに放たれた。炎を避けて真知と真鈴は二人の手から離れると、鬼神が目にも止まらぬ速さで抱えられる。
「この二人は俺が預かる。それで良いな?吉武」
苦虫を噛み潰したような表情で吉武たちは雪華祭の会場を出る。
「これでもう、苦しむことはない。鬼神の名にかけて、君たち姉妹を必ず護ると誓おう。真知、試すような真似をしてすまなかった。だが君は本当によく頑張った。あとは任せろ」



