届かないLove Letter

 花菜絵(かなえ)さんへ


 初めて手紙を書きます。
 花菜絵さん、元気ですか?
 そちらは寒くないですか?
 ずっと北海道に住んでいるのに、花菜絵さんは寒いのが苦手でしたね。
 よく僕が「花菜絵さん、北海道民なのに寒いの苦手なんだ」とからかったら、花菜絵さんは「北海道民だからって寒さに強いなんて思わないでよね!」と怒っていたっけ。
 怒っている花菜絵さんがいつも可愛くて仕方がなかった。
 常に周りに気を遣って、人に頼ることが苦手で、建前ばかりで本音を話してくれなくて、素直じゃない花菜絵さんがたまに僕を頼ってくれたり、甘えてくれたのがすごく嬉しかった。
 これは幼なじみの特権だね。花菜絵さんと幼なじみで本当に良かった。
 僕は少しでも花菜絵さんに寄り添うことはできたかな?
 少しでも花菜絵さんを支えることはできたのかな……ねぇ、答えてよ。
 ”何があっても私は一稀(いつき)くんの傍にいる。私はいつも一稀くんの味方だからね”って言っていたのに。
 嘘つき……。

 花菜絵さん、どこにいるの?
 花菜絵さんに会いたい。会いたいよ―――