あれから三日が経つが、俺の日常は変わらない。登下校や休憩時間の度に、響が俺の周りをちょこまかとうろついているのも変わらない。変わるとするなら、加藤……いや、長谷川らの方だ。妙に俺と響を気にしている。
休憩時間にトイレに行こうものなら、四人の誰かが監視役のようについてくる。イジメの件、若しくは中間試験のデータを盗もうとしていたことをチクると思っているのだろう。試しに職員室の方に向かってみたら、慌てた様子で呼び止められたこともある。
――キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
四時限目終了のチャイムが鳴り、いつもならすぐに購買か食堂に行く俺だが、今日は大人しく席に着いて様子を窺った。案の定、長谷川らも動かない。
とはいえ、安定の響は声をかけてくる。
「金さん、金さん。今日の日替わりランチ、金さんの好きなオムライスだって」
「そんな大きな声で俺の好物話すな。恥ずいだろ」
これまでは俺のことなど興味のなかった長谷川らが耳を澄ませているのだ。あんな陰湿な奴らに、俺の好物を知られてしまったではないか。
「てか、響。なんで俺の好物知ってんだよ」
「だって、金さん。オムライス食べる時の顔が、いつもこんなんなってるよ」
響が俺の頬に手を当て、口角を無理やり上げた。俺は、それを軽く払って立ち上がる。
「そんな訳ないだろ」
同時に、いじめっ子メンバーも立ち上がる。加藤も栗原に肩を叩かれ、「僕は……」と断りかけたが、渋々立ち上がった。
(結局、アイツ。まだ言いなりなんだよなぁ)
人間の性格は、そうそう変わるものではない。それに、イジメられている人間がいくら拒んだところで、イジメがエスカレートするのは目に見えている。だから、第三者の手が必要だったりするのに、響は加藤を突き放すし……。
「はぁ……アイツが自殺したら、半分は響のせいだぞ」
廊下を歩きながらぼやけば、響も後ろを気にした様子で呟いた。
「こういうのは、結局自分が強くならないと意味がないから」
いつになく真剣なその言い方に、ドキリとした。
「響、もしかして敢えて……?」
獅子は我が子を千尋の谷に落とす。それに似たような解決策を考えているのだろうか。
しかし、それは今回のケースでは、一か八かの賭けになる。負けず嫌いな俺なら、成功する可能性は大だ。だが、加藤はどうだ。どう見ても気に病んで、そのまま谷底に落ちるタイプだ。
「俺、やっぱそういうの見過ごせねぇ……」
俺が仲介に立ってイジメがエスカレートするなら、常に俺の後ろに隠れていれば良い。俺がその都度食い止める。
食堂に着いてしまったが、取り返しがつかなくなる前にどうにかせねば。
食券機の前で一度開いた財布をスッとポケットにしまう。そのまま後ろを振り返ろうとすれば、響に腕を掴まれた。
「もう少し、様子見て見よ」
「だけど」
「加藤君なら、大丈夫だよ」
どこから来る自信なのか、響はニコッと笑った。
「ね、もう少し、様子見よ。修学旅行の班だって、勇気出せてたじゃん」
「そうかもだけど……」
食券機の前で立ち止まって話していたせいで、数メートル後ろを付いてきていた長谷川らも俺達に追いついてしまった。怪訝な顔で見られた。一番後ろで俯き加減に肩を丸めている加藤を見て、俺は諦めたように伸びをした。
「やっぱ、今日はパンにしよ」
「え、金さん。大好物のオムライス食べないの?」
「だから、大きな声で言うなって。てか、俺、オムライスはケチャップ派なんだよ。今日のデミグラスじゃん」
「良いじゃん。デミグラスも」
「嫌なもんは嫌なの」
そう言って食堂から出れば、響は後ろ髪惹かれたように付いてきた。
「別に付いて来なくて良いのに。響は食堂で食べて来いよ」
「だって、金さん行かないならつまんないし」
「昼飯に何求めてんだよ」
そして、また付いて来ようとする長谷川らに、俺は一言だけ言った。
「これ以上付き纏うなら、本気でチクるぞ」
不機嫌そうにガンを飛ばしたからか、皆その場に固まって付いて来なかった。
ただ、彼らの機嫌を損ねたのは言うまでもない。ギリリと歯ぎしりをする長谷川が、新たなゲームを提案したことに、俺は気付いていない――――。
◇◇◇◇
その日の放課後。
靴箱で靴を履き替えた俺は、深い深い溜め息を吐いた。
「ほら、言わんこっちゃない」
響の靴が隠された。犯人は明確だ。
ただ、実行犯と指示役は別だろう。
だから、犯人を見つけてしまえば、加藤が咎められる。加藤だけが悪者だ。
「てか、俺じゃなくて響を狙うってとこが、マジクソだよな」
他の靴箱に響のスニーカーが入っていないか覗いていると、当の本人である響は、自身の靴箱の前で俯いている。
「おい、響。自分の靴なんだから、自分で……って、おい、泣いてんのかよ」
響の大きな両の目からは、大粒の涙が溢れていた。
「だって、こんなの初めてで……」
顔を上げた響は、思い切り抱き着いてきた。
「ちょ、おい。誰か来たら勘違いされんだろ」
「うぅ……」
あの自信満々だった響の涙は新鮮で、だからこそ許せないと思ってしまう。
俺は、響の頭をポンポンと撫でた。
「俺が靴見つけてやるから、ここで待ってろ」
「……うん」
その時だった。わざとらしく河原田と栗原が靴箱にやってきた。
「あれ? 二人とも、どうかしたの?」
「え? 清水君、もしかして泣いてんの? なんで?」
栗原が響の顔を覗き込もうとするものだから、大事なものを庇うようにして、響の顔を胸に押し付けた。
「おい、響の靴出せよ。こいつ、関係ないだろ?」
「なんのこと?」
「清水君の靴、無くなったの? 僕らも探そうか?」
「チッ、わざとらしい演技しやがって。マジうぜぇ。行こうぜ、響」
俺は響をそのまま抱き上げ、二人に向かってベッと舌を出した。
「靴なんてなくたって、痛くも痒くもないわ。俺の靴にしなかったのが汚点だったな」
呆気に取られる二人を置いて校舎を出た俺は、辺りを見渡した。
校舎のすぐ横には大きな木が生え、校門までの道のりにも等間隔に桜の木が植えられている。春は桜の絨毯になるそこを歩きながら、やや大きな声で言ってみる。
「どうせ、長谷川と……もう一人だれだっけ」
「光井君」
「そう、光井もどっかで見てんだろ? この俺様を怒らせたからには、ただじゃ済まさねぇ。てか、響、軽すぎだろ。ちゃんと食べてんのか?」
「昼はしっかり食べてるよ」
「昼はって、朝と夜は?」
へへへと笑う響は、首に手を回してきた。そして、俺の問いには応えない。
「ごめんね、金さん。さすがにこれは想定外。まさか、金さんに抱っこされるとは思わなかったよ」
「その想定外は、靴を隠されたこと……だよな?」
まるで、靴を隠されたことは想定内で、今の状況だけが想定外と言っているように聞こえるのだが。しかし、先程の涙は本物だった。現に、俺のワイシャツも濡れている。
「僕ね」
一瞬の間があり、響は告白した。
「僕、あの一足しか、靴持ってないんだよね」
「……は? ガチで?」
「ガチで」
「ッたく、加藤探しに行くぞ。その方が早い」
「月曜日、金さんが僕の家に迎えに来てくれても良いよ」
「土日はどうやって過ごすんだよ」
来た道を戻りかけたところに、加藤が申し訳なさそうに響の靴を持って現れた。そして、長谷川と光井もその半歩後ろに立った。
「加藤、お前。何やってんのか分かってんのか……?」
「ごめん……」
響の靴をその場に置いた加藤の後ろで、長谷川が悪戯に笑った。
「ほら、疾風。ちゃんと言わないと」
そして、光井も貼り付けた笑みを見せる。
「加藤君。こっち側に昇格したくないの? 今がチャンスだよ」
「…………」
「早く言わないと、また僕らとゲームすることになっちゃうよ。良いの?」
彼らは、イジメの標的を加藤から俺たちに変えるつもりのようだ。俺たちが気に食わないのもあるだろうが、弱みを握られて焦っているのかもしれない。
緊張した面持ちで加藤の前まで行き、響をそこにある靴の上に下ろした。つま先をトントンとしながら靴を履いた響に、加藤はもう一度謝罪した。
「清水君、ごめんね」
「だから、謝るくらいなら……」
俺の言葉を遮るように、響が冷淡に言った。
「加藤君はさ、どうしたいの?」
「ぼ、僕は……」
加藤は、おどおどした様子で、響と長谷川を交互に見た。そして、俺たちの方に立った。
「僕は、もう長谷川君たちの暇つぶしに付き合いたくない!」
よく言った! 乗りかかった船だ。俺は全力で加藤を守ろう。そう思った時だった、加藤は補足して言った。
「だから、長谷川君。ゲーム……しよう?」
「は? 加藤、お前……」
「僕が勝ったら、僕の言うこと、聞いてくれる?」
加藤の発言を制止させようとするが、俺を無視して話が進む。
「面白いじゃん。疾風が負けたらどうすんの?」
「これまで通り、長谷川君の好きにしたら良いよ」
「そんなんしたら、意味ねぇじゃん!」
これ以上早まった発言をしないよう止めようとすれば、諭されるように響に手を握られた。
「金さん。僕らは、下がってよう」
「いや、けど、このままじゃ……」
「大丈夫だって。加藤君の目、見てみなよ」
加藤を見れば、しっかりと芯のある目をしていた。
休憩時間にトイレに行こうものなら、四人の誰かが監視役のようについてくる。イジメの件、若しくは中間試験のデータを盗もうとしていたことをチクると思っているのだろう。試しに職員室の方に向かってみたら、慌てた様子で呼び止められたこともある。
――キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。
四時限目終了のチャイムが鳴り、いつもならすぐに購買か食堂に行く俺だが、今日は大人しく席に着いて様子を窺った。案の定、長谷川らも動かない。
とはいえ、安定の響は声をかけてくる。
「金さん、金さん。今日の日替わりランチ、金さんの好きなオムライスだって」
「そんな大きな声で俺の好物話すな。恥ずいだろ」
これまでは俺のことなど興味のなかった長谷川らが耳を澄ませているのだ。あんな陰湿な奴らに、俺の好物を知られてしまったではないか。
「てか、響。なんで俺の好物知ってんだよ」
「だって、金さん。オムライス食べる時の顔が、いつもこんなんなってるよ」
響が俺の頬に手を当て、口角を無理やり上げた。俺は、それを軽く払って立ち上がる。
「そんな訳ないだろ」
同時に、いじめっ子メンバーも立ち上がる。加藤も栗原に肩を叩かれ、「僕は……」と断りかけたが、渋々立ち上がった。
(結局、アイツ。まだ言いなりなんだよなぁ)
人間の性格は、そうそう変わるものではない。それに、イジメられている人間がいくら拒んだところで、イジメがエスカレートするのは目に見えている。だから、第三者の手が必要だったりするのに、響は加藤を突き放すし……。
「はぁ……アイツが自殺したら、半分は響のせいだぞ」
廊下を歩きながらぼやけば、響も後ろを気にした様子で呟いた。
「こういうのは、結局自分が強くならないと意味がないから」
いつになく真剣なその言い方に、ドキリとした。
「響、もしかして敢えて……?」
獅子は我が子を千尋の谷に落とす。それに似たような解決策を考えているのだろうか。
しかし、それは今回のケースでは、一か八かの賭けになる。負けず嫌いな俺なら、成功する可能性は大だ。だが、加藤はどうだ。どう見ても気に病んで、そのまま谷底に落ちるタイプだ。
「俺、やっぱそういうの見過ごせねぇ……」
俺が仲介に立ってイジメがエスカレートするなら、常に俺の後ろに隠れていれば良い。俺がその都度食い止める。
食堂に着いてしまったが、取り返しがつかなくなる前にどうにかせねば。
食券機の前で一度開いた財布をスッとポケットにしまう。そのまま後ろを振り返ろうとすれば、響に腕を掴まれた。
「もう少し、様子見て見よ」
「だけど」
「加藤君なら、大丈夫だよ」
どこから来る自信なのか、響はニコッと笑った。
「ね、もう少し、様子見よ。修学旅行の班だって、勇気出せてたじゃん」
「そうかもだけど……」
食券機の前で立ち止まって話していたせいで、数メートル後ろを付いてきていた長谷川らも俺達に追いついてしまった。怪訝な顔で見られた。一番後ろで俯き加減に肩を丸めている加藤を見て、俺は諦めたように伸びをした。
「やっぱ、今日はパンにしよ」
「え、金さん。大好物のオムライス食べないの?」
「だから、大きな声で言うなって。てか、俺、オムライスはケチャップ派なんだよ。今日のデミグラスじゃん」
「良いじゃん。デミグラスも」
「嫌なもんは嫌なの」
そう言って食堂から出れば、響は後ろ髪惹かれたように付いてきた。
「別に付いて来なくて良いのに。響は食堂で食べて来いよ」
「だって、金さん行かないならつまんないし」
「昼飯に何求めてんだよ」
そして、また付いて来ようとする長谷川らに、俺は一言だけ言った。
「これ以上付き纏うなら、本気でチクるぞ」
不機嫌そうにガンを飛ばしたからか、皆その場に固まって付いて来なかった。
ただ、彼らの機嫌を損ねたのは言うまでもない。ギリリと歯ぎしりをする長谷川が、新たなゲームを提案したことに、俺は気付いていない――――。
◇◇◇◇
その日の放課後。
靴箱で靴を履き替えた俺は、深い深い溜め息を吐いた。
「ほら、言わんこっちゃない」
響の靴が隠された。犯人は明確だ。
ただ、実行犯と指示役は別だろう。
だから、犯人を見つけてしまえば、加藤が咎められる。加藤だけが悪者だ。
「てか、俺じゃなくて響を狙うってとこが、マジクソだよな」
他の靴箱に響のスニーカーが入っていないか覗いていると、当の本人である響は、自身の靴箱の前で俯いている。
「おい、響。自分の靴なんだから、自分で……って、おい、泣いてんのかよ」
響の大きな両の目からは、大粒の涙が溢れていた。
「だって、こんなの初めてで……」
顔を上げた響は、思い切り抱き着いてきた。
「ちょ、おい。誰か来たら勘違いされんだろ」
「うぅ……」
あの自信満々だった響の涙は新鮮で、だからこそ許せないと思ってしまう。
俺は、響の頭をポンポンと撫でた。
「俺が靴見つけてやるから、ここで待ってろ」
「……うん」
その時だった。わざとらしく河原田と栗原が靴箱にやってきた。
「あれ? 二人とも、どうかしたの?」
「え? 清水君、もしかして泣いてんの? なんで?」
栗原が響の顔を覗き込もうとするものだから、大事なものを庇うようにして、響の顔を胸に押し付けた。
「おい、響の靴出せよ。こいつ、関係ないだろ?」
「なんのこと?」
「清水君の靴、無くなったの? 僕らも探そうか?」
「チッ、わざとらしい演技しやがって。マジうぜぇ。行こうぜ、響」
俺は響をそのまま抱き上げ、二人に向かってベッと舌を出した。
「靴なんてなくたって、痛くも痒くもないわ。俺の靴にしなかったのが汚点だったな」
呆気に取られる二人を置いて校舎を出た俺は、辺りを見渡した。
校舎のすぐ横には大きな木が生え、校門までの道のりにも等間隔に桜の木が植えられている。春は桜の絨毯になるそこを歩きながら、やや大きな声で言ってみる。
「どうせ、長谷川と……もう一人だれだっけ」
「光井君」
「そう、光井もどっかで見てんだろ? この俺様を怒らせたからには、ただじゃ済まさねぇ。てか、響、軽すぎだろ。ちゃんと食べてんのか?」
「昼はしっかり食べてるよ」
「昼はって、朝と夜は?」
へへへと笑う響は、首に手を回してきた。そして、俺の問いには応えない。
「ごめんね、金さん。さすがにこれは想定外。まさか、金さんに抱っこされるとは思わなかったよ」
「その想定外は、靴を隠されたこと……だよな?」
まるで、靴を隠されたことは想定内で、今の状況だけが想定外と言っているように聞こえるのだが。しかし、先程の涙は本物だった。現に、俺のワイシャツも濡れている。
「僕ね」
一瞬の間があり、響は告白した。
「僕、あの一足しか、靴持ってないんだよね」
「……は? ガチで?」
「ガチで」
「ッたく、加藤探しに行くぞ。その方が早い」
「月曜日、金さんが僕の家に迎えに来てくれても良いよ」
「土日はどうやって過ごすんだよ」
来た道を戻りかけたところに、加藤が申し訳なさそうに響の靴を持って現れた。そして、長谷川と光井もその半歩後ろに立った。
「加藤、お前。何やってんのか分かってんのか……?」
「ごめん……」
響の靴をその場に置いた加藤の後ろで、長谷川が悪戯に笑った。
「ほら、疾風。ちゃんと言わないと」
そして、光井も貼り付けた笑みを見せる。
「加藤君。こっち側に昇格したくないの? 今がチャンスだよ」
「…………」
「早く言わないと、また僕らとゲームすることになっちゃうよ。良いの?」
彼らは、イジメの標的を加藤から俺たちに変えるつもりのようだ。俺たちが気に食わないのもあるだろうが、弱みを握られて焦っているのかもしれない。
緊張した面持ちで加藤の前まで行き、響をそこにある靴の上に下ろした。つま先をトントンとしながら靴を履いた響に、加藤はもう一度謝罪した。
「清水君、ごめんね」
「だから、謝るくらいなら……」
俺の言葉を遮るように、響が冷淡に言った。
「加藤君はさ、どうしたいの?」
「ぼ、僕は……」
加藤は、おどおどした様子で、響と長谷川を交互に見た。そして、俺たちの方に立った。
「僕は、もう長谷川君たちの暇つぶしに付き合いたくない!」
よく言った! 乗りかかった船だ。俺は全力で加藤を守ろう。そう思った時だった、加藤は補足して言った。
「だから、長谷川君。ゲーム……しよう?」
「は? 加藤、お前……」
「僕が勝ったら、僕の言うこと、聞いてくれる?」
加藤の発言を制止させようとするが、俺を無視して話が進む。
「面白いじゃん。疾風が負けたらどうすんの?」
「これまで通り、長谷川君の好きにしたら良いよ」
「そんなんしたら、意味ねぇじゃん!」
これ以上早まった発言をしないよう止めようとすれば、諭されるように響に手を握られた。
「金さん。僕らは、下がってよう」
「いや、けど、このままじゃ……」
「大丈夫だって。加藤君の目、見てみなよ」
加藤を見れば、しっかりと芯のある目をしていた。



