誓詞~健やかなるときも病めるときも~


・2025年11月28日

 起きた。湿っている。なんだ、こっちか。
 年末年始はゆったりと過ごした。鈴木さん宅に皆で集まってホームパーティもした。

 タウンハウスで同じ構造のはずなのに、内装がうちの雰囲気とは全然違って全く別の空間にいるみたいだった。
 そりゃそうか。たくみさんとりほさんの世界なんだから。

 若林宅は、ひとみさんは歓迎だけど、ゆう君がまだちょっと誰かが入るのは落ち着かないのだと言っていた。

 僕たちにこそっと「この子、ツンデレなの」と耳打ちしてきたけど、あれは絶対本人に聞かせていたな(笑)
 自分が話題に上るとそっぽを向いてしまうゆう君は、たしかにつれない猫みたいでちょっとかわいらしい。


 落差がひどい。
 目が覚めていいことがひとつもない。この部屋は嫌なことを思い出してしまうから嫌だ。
 ふたりでいる生活に慣れてしまうと、物寂しく感じる。


 こっちの会社に行くのも随分久しぶりな気がした。

 上司に溜まった有休を消化しがてら、しばらく休んだらどうかと提案された。メンタルクリニックで眠剤を処方してもらうのも手だぞと。

 僕、そんなにひどい顔をしてる?
 むしろふみ恵のおかげでだいぶ元気が取り戻せたと思っていたんだけど……。でも、これは正直かなりありがたい。
 たしか前に(どれくらい前だっけ?)休みを提案されたときは、頑張らなくちゃと意気込んでいたんだよな。

 だから断ったけど、よくよく考えてみたらあっちでは家で過ごしたいから在宅で働きたいと思えばそうできるし、もっといえばお金や物だってイメージすれば簡単に手に入る。

 欲しい物をすぐに手に入れられるのに、こっちで無理をする必要もないか。美味しいものを食べたければ、ふみ恵の手料理が待っている。こうなると食事を摂るのも煩わしいな。


 あ、そうだ。こっちに新しくマンションを借りていたんだった。

 家具や物を全部移してから引越しと思っていたけど、別にさっさと布団を用意して新居で寝起きしたっていいんだよな!
 そうすれば目覚めたときの不快感も少しは和らぐかもしれない。

 善は急げだ!