誓詞~健やかなるときも病めるときも~


・2025年11月27日

 3時半。左手が湿っている。
 そうか、こっちの方が現実世界だったよな。

 スマホの日付を見てまだ11月なのか、と思った。あっちではもう12月の半ばまで過ごしている。日々も穏やかそのものだ。

 寒い日が続くけど、ふみ恵と寄り添って過ごしているだけで身も心もぽかぽかだ。大家の田處(たどころ)さんもよく僕たちのことをよく気にかけてくれてありがたい。


 起きた。湿っている。

 クリスマスが終わった。ふたりでささやかなクリスマスパーティを開いたりイルミネーションを見に行ったり、楽しかったな。
 手作りのケーキってなんであんなに美味いんだろ。もうすぐ年末を迎えようとしている。


 出勤時、やけに周囲から視線を感じるなと思っていたら気のせいじゃなかった。

 同僚から「お前この暖冬にその格好って」とツッコミを入れられてしまった。向こうにいる感覚で厚手のコートにマフラーを身に着けていたから、それで道中浮いていたのだと気づいた。

 言われてから、そういえば暑いかもと感じた。こっちの感覚のほうが妙にぼんやりしてきて、まるで夢の中にいるみたいだ。でもあっちが夢で、こっちが現実の世界なんだよな?

 うん。だってやっぱり左手を触ると、湿ってる。