誓詞~健やかなるときも病めるときも~


・2025年11月22日

 今日も異常なし。

 昨夜も悪夢を見てしまった。また美香がずっとこちらを見ている夢。
 ほぼ同じような内容だったけど、なんだか前より少しだけ距離が近づいてきている気がした。怖い。

 早く引っ越を済ませてしまいたい焦りが滲んでるのかなぁ。でも自分の深層心理みたいなものが反映されているのだとしたら、夢ってやっぱり不思議だ。

 吉村夫婦に引越しすること、もう新居が決まったことを報告すると、ものすごく驚いていた。そりゃそうだよな、ものすごいスピードで決まったし。

 涼が作業の手伝いを申し出てくれたけど、丁重に断った。
 結実ちゃんも大変なときだし、引っ越してからしばらくの間は慎重に慎重を重ねて、吉村夫妻との接触を控えておこうと思う。
 寂しくないと言ったら嘘になるけど、MINEや電話で変わらず話はできるから問題ない。何かあってからじゃ遅いし、これでいいんだ。

 それに、部屋の片づけは結構すんなりと終わってしまうかもしれない。こないだ美香の私物を送ったときのほうがよっぽど難儀したと思う……。
 でもそのときに、がらんとした部屋を見て自分は「趣味:彼女」だったんだということを痛感してしまったんだよな。

 元々これといった趣味もないし、物欲もそんなにない。殆どが美香の持ちものだったりすすめられたりしたもので、整理してみれば自分ってこんなに何も無い人間だったんだって思い知らされた。

 別にそれが嫌だったわけじゃない。むしろ相手色に染まることを自分も望んでいた節があるし、実際そうしていられた間は心地よかった。

 けれどそれがなくなった今、正直心に開いた穴をどう埋めていいのか分からないところがある。友達と遊び明かそうったって、もう皆それぞれの守るべき家庭があって。

 ……はぁ。今夜は怖い夢じゃなくて、また彼女がいる夢を見たい。どうにかして狙って見られるようにならないだろうか。
 今日は良い夢が見られることを願う。