誓詞~健やかなるときも病めるときも~

▼日記アプリ「にっきろぐ」より

・3月14日

 ついに昨日、前々から計画していたDP大作戦を決行した。結果は大成功!
 日頃ふみ恵の想いはひしひしと感じていても、やっぱりプロポーズとなると緊張せずにはいられなかったから、今ものすごく安堵している。

 豪華なディナーを予約してあることも、ホワイトデーだと違和感を与えずにことを進められるからよかった。ただ、緊張しすぎて食事の味を全く覚えていない……。初めて来たところだったけど、ふみ恵は気に入ってくれたみたいで良かった。
 ディナーを終えたあと、ベタに夜景の見える場所まで行って景色を眺めながら、頃合いを見て話を切り出した。

「ふみ恵と一生一緒にいたい。僕と、結婚してください」

 結局ごくシンプルな言葉に落ち着いた。このひと言に全てが詰まっているな、と思ったから。ダイヤモンドの入った小箱をパカリと開けて、ふみ恵の前に片膝をつけ跪いた。
 事前にふみ恵のいないところで膝をつく練習をしておいてよかったとつくづく思う。あの体勢を初手で格好よく決めるのは本当に至難の業だ。練習の甲斐あってなんとか横へ倒れずに済んだ。

 見上げたふみ恵の頬に涙が伝ったときはぎょっとしたけど、すぐに喜びの涙だと分かって心底ホッとした。
 あとで「ずっと實さんから言ってくれるのを待ってたの……」と本音を零してくれた。
 やっぱりどこか不安に思わせていた部分があったのだろうと思う。つよく抱きしめ、「待たせてごめんね」と背中をさすった。

「私も、實さんの不安を拭い去れるようにずっと傍を離れないから」

 その言葉を聞いてたまらない気持ちになった。ずっと心配かけっぱなしで、本当にごめん。
 正直、美香に対する恐怖心を完全に拭い去ることはまだできていないが、どうにかしてこの安寧を守らないといけない。僕がもっとしっかりしないと。

 でも、今日だけは全ての恐怖や嫌なことを忘れて、この喜びにだけ酔いしれていたい。皆にも改めて報告しなくちゃ。きっと祝福してくれるに違いない。