真っ白なガーベラのような君へ

③フライパンに油(分量外)を敷き、中火で熱する。フライパンが温まったら、卵液を半分流し込み、全体に広げる。

 料理スキルが欠けていると感じたのか、一巻き目は咲結さんがやって見せてくれると言ってガスの元栓をひねった。
 卵焼き用の縦長長方形のフライパンに、少量のサラダ油を敷き、中火でフライパンを温める。
 ある程度温まったころ、菜箸に付いた卵液を押し当てた。
 ジュー、と音を立てて、卵液にすぐに火が通る。
「よし、いい感じ」
 咲結さんは頷いて、卵液を流し込む。
「三分の一じゃないんだ」
 作り方を見ると、三回に分けて焼いているのに、はじめは二分の一の量を使うのが、少し疑問に思えた。
「うちのはね、真ん中をふわふわにしたいから、多めに入れるの」
 流し込んだ卵液を、熱されたフライパンの上でぐるぐる混ぜている。
 ぷくっと膨らんできたところを箸でつぶしながら、フライパンを傾けて焼けていない卵液を広げながら。調整しながら混ぜている。
「ある程度焼けてきたら、混ぜるのはやめて、膨らんでいるところだけつぶしてね」
 僕の顔とフライパンを目線が行ったり来たりしながら、フライパンを傾けていた。