真っ白なガーベラのような君へ

④火を付けて、牛乳とコンソメを加える。中火でとろみがつくまで煮る。

 コンロに火を付けて、中火に設定する。そして、冷蔵庫の中から牛乳を取り出して、計量カップで三カップ。
「……三カップって、何ミリリットル?」
「一カップで、二○○ミリリットル。だから、三カップで六○○ミリリットルだよ」
「そうなんだ。覚えるよ」
「うん。よろしくお願いします」
 牛乳を計り入れて、コンソメキューブを一つ、その中に入れる。
 はじめに少し混ぜて、小麦粉をまとった野菜たちの間に牛乳が行き届いたら、そのまま少し煮る。混ぜずにそのまま、沸騰するまで放置。
「この待ち時間に洗い物したりするんだけど、ごめん、やっちゃった」
「謝らないで。ありがとうだよ」
 二人でフライパンを覗き込みながら、話題を探す。
 そういえば、あんまり雑談はしたことがないな。
 なにかを教えてもらうとき。僕が一方的に怪我の心配をしているとき。あとは、その場の勢いだろう。知りたいことが頭に浮かんだら、聞く。聞かれたら答える。それだけだ。
「お腹すいたね」
「だって、咲結さん学校から帰ってから何も食べてないよね? 僕は休憩もらって、賄いももらってるけど……」
「私はバイトじゃなくて、お手伝いだから。雇われてないから便利なのよ」
 どこか得意げに、そう言って笑っている。
「無理しないでよ?」
 思わず、そう言ってしまう。でも、仕方ないじゃないか。僕がここに来て、休憩と言える休憩を取っている姿は見たことがない。空いた時間に食事を摂り、食べきる前に仕事に戻り、また空き時間に残りを食べに行くような。そんな姿ばかりを見ている。
「あ、そろそろだよ」
 僕の心配には何も返してもらえないまま、ふつふつと沸騰してきたフライパンの中のホワイトソースを指差した。
 木べらで混ぜると、初めよりも重みがあった。少し混ぜながら煮詰めて、混ぜた時に鍋底が見えるようになったころ。
 咲結さんから火を止めるように言われた。