・卵は卵白と卵黄に分けておく。卵白は冷蔵庫で冷やしておく。
「まずは下準備からね。卵白のボウルは特に、水一滴、油も何もない、きれいなボウルを使ってね」
「わかった。でも、なんで?」
「メレンゲって、繊細な子なの。だから、水一滴でも入るとメレンゲにならなくなるから。手を洗って、拭きが甘いままボウルの内側を持ったりすると、使えなくなるから気を付けてね」
そう、卵を僕に手渡す。
卵白をメレンゲにすること以前に、卵を黄身と白身に分けるなんて、やったことないし。それより、黄身を卵黄、白身を卵白と言うなんてことも初耳だった。
「どうやって分けるの? 包丁で切るとか?」
我ながら馬鹿な発言だと思う。生卵をまな板に乗せて包丁で切るなんて、聞いたことはもちろんない。
咲結さんも、爆笑していた。
「違うよ。優緋くん、面白いね」
そう、平らな面に卵を打ち付けた。
「こうやるんだよ」
パカッと卵を割ると、卵黄のある方の殻をまるで器のように扱い、そこに器用に卵黄を残して、卵白がボウルに落ちるのを待っている。かと思えば、もう一方の殻に卵黄を移し、片側に残っていた卵白もボウルに落とし、何も入っていないボウルに卵黄を入れた。
なんか、卵の魔術師に見えてきた。
「ほら、卵白と卵黄、きれいに分かれたでしょ? 卵白に卵黄が混ざるのは絶対ダメだけど、卵黄の方に卵白が混ざるのは大丈夫だから。意外と簡単だよ?」
確かに、咲結さんがやっているのを見るとスマートで、いかにも簡単そうに見えたけど。僕にその能力があるとは到底思えない。
「優緋くん、卵割るのうまくなってきたし、力まずにやれば大丈夫だよ」
その言葉に頷いて、いつも通り卵にヒビを入れる。
いつもは下に向けて割るけど、ヒビを上に向けて、半分に割る。
卵黄の位置を確認して、片方の殻に卵黄を移す。ボチャッと音がして、卵白がボウルに落ちていく。
「そうそう。いい感じだよ」
前のめりで僕の様子を見ている姿が視界に映り、いきなり緊張が僕を襲う。
細く長く息を吐きながら、反対側の殻に卵黄を移す。
割れるな。割れるな。割れるな。
何度も心の中で念じながら、何とか球体を保った卵黄を、咲結さんが割った卵黄に合流させることができた。
最後の一つも同じように分けて、無事卵三つを卵白と卵黄に分けられた。
「じゃあ、卵白のボウルにはラップをかけて、冷蔵庫に入れてね」
「はい」
「まずは下準備からね。卵白のボウルは特に、水一滴、油も何もない、きれいなボウルを使ってね」
「わかった。でも、なんで?」
「メレンゲって、繊細な子なの。だから、水一滴でも入るとメレンゲにならなくなるから。手を洗って、拭きが甘いままボウルの内側を持ったりすると、使えなくなるから気を付けてね」
そう、卵を僕に手渡す。
卵白をメレンゲにすること以前に、卵を黄身と白身に分けるなんて、やったことないし。それより、黄身を卵黄、白身を卵白と言うなんてことも初耳だった。
「どうやって分けるの? 包丁で切るとか?」
我ながら馬鹿な発言だと思う。生卵をまな板に乗せて包丁で切るなんて、聞いたことはもちろんない。
咲結さんも、爆笑していた。
「違うよ。優緋くん、面白いね」
そう、平らな面に卵を打ち付けた。
「こうやるんだよ」
パカッと卵を割ると、卵黄のある方の殻をまるで器のように扱い、そこに器用に卵黄を残して、卵白がボウルに落ちるのを待っている。かと思えば、もう一方の殻に卵黄を移し、片側に残っていた卵白もボウルに落とし、何も入っていないボウルに卵黄を入れた。
なんか、卵の魔術師に見えてきた。
「ほら、卵白と卵黄、きれいに分かれたでしょ? 卵白に卵黄が混ざるのは絶対ダメだけど、卵黄の方に卵白が混ざるのは大丈夫だから。意外と簡単だよ?」
確かに、咲結さんがやっているのを見るとスマートで、いかにも簡単そうに見えたけど。僕にその能力があるとは到底思えない。
「優緋くん、卵割るのうまくなってきたし、力まずにやれば大丈夫だよ」
その言葉に頷いて、いつも通り卵にヒビを入れる。
いつもは下に向けて割るけど、ヒビを上に向けて、半分に割る。
卵黄の位置を確認して、片方の殻に卵黄を移す。ボチャッと音がして、卵白がボウルに落ちていく。
「そうそう。いい感じだよ」
前のめりで僕の様子を見ている姿が視界に映り、いきなり緊張が僕を襲う。
細く長く息を吐きながら、反対側の殻に卵黄を移す。
割れるな。割れるな。割れるな。
何度も心の中で念じながら、何とか球体を保った卵黄を、咲結さんが割った卵黄に合流させることができた。
最後の一つも同じように分けて、無事卵三つを卵白と卵黄に分けられた。
「じゃあ、卵白のボウルにはラップをかけて、冷蔵庫に入れてね」
「はい」



