可能性は売ってない

翌日、俺は商店街を回り直した。

回り直す、という言い方が重要だ。

前にも赤羽と一緒に回った。

あのときは、赤羽が勢いで頭を下げて、俺は横でチラシを持っていた。

チラシ係。

要するに、紙を持つだけ。

今回は、一人だった。

いや、一人で行くつもりだった。

クラブを出る前、赤羽がこっちを見た。

「商店街、行くのか」

「うん」

「俺も――」

赤羽は言いかけて、少しだけ止まった。

あの夜のことが、まだ間にあった。

「……防具の確認、残ってるから」

「うん」

「あとで、行けたら」

「うん」