可能性は売ってない

結局、写真は白石先輩が構える後ろ姿、赤羽と俺の剣先がカンと触れる直前の手元、小学生たちの足元、ガラス戸越しのレーンを撮った。

俺は写真を見て、少し驚いた。

古いクラブは、写真に撮るとやっぱり古かった。
蛍光灯は白いし、壁のポスターは少し曲がっているし、床には細かい傷がある。

でも、悪くなかった。

むしろ、その古さの中に、ちゃんと時間があった。
たくさんの足が前に出て、下がって、また前に出た跡。
たくさんの剣がぶつかった音の残り。
そういうものは、ぴかぴかの床には写らないかもしれない。

もちろん、東京ノースの設備はすごかった。
羨ましいとも思う。
でも、練馬クラブには、練馬クラブの光り方がある。

たぶん。