俺たちは、少し早足でクラブへ向かった。
ガラス戸の向こうから、金属音がした。
カン。
カン、カン。
いつもの音だ。
いつもの音なのに、その日は少しだけ遠く聞こえた。
赤羽が扉を開ける。
「こんにちは!」
声はいつも通り大きかった。
でも、どこか無理に大きくしている気がした。
俺も後ろから「こんにちは」と言った。
レーンでは小学生たちがフットワークをしていた。
白石先輩は壁際で剣を拭いている。
三枝コーチは受付机のところで電話をしていた。
いつもの黒いポロシャツ。ホイッスル。軽そうな背中。
でも、声は低かった。
「はい。確認しました。……いえ、こちらも急に言われても……はい。更新までに一度、話し合いを」
三枝コーチは俺たちに気づいて、軽く手を上げた。
その手の動きはいつも通りだった。
でも、机の上にはまたあの「賃料改定のお知らせ」があった。
今度は隠されていない。
電話が終わるまで、赤羽は黙っていた。
赤羽が黙っていると、クラブの蛍光灯の唸りまで聞こえる。
ガラス戸の向こうから、金属音がした。
カン。
カン、カン。
いつもの音だ。
いつもの音なのに、その日は少しだけ遠く聞こえた。
赤羽が扉を開ける。
「こんにちは!」
声はいつも通り大きかった。
でも、どこか無理に大きくしている気がした。
俺も後ろから「こんにちは」と言った。
レーンでは小学生たちがフットワークをしていた。
白石先輩は壁際で剣を拭いている。
三枝コーチは受付机のところで電話をしていた。
いつもの黒いポロシャツ。ホイッスル。軽そうな背中。
でも、声は低かった。
「はい。確認しました。……いえ、こちらも急に言われても……はい。更新までに一度、話し合いを」
三枝コーチは俺たちに気づいて、軽く手を上げた。
その手の動きはいつも通りだった。
でも、机の上にはまたあの「賃料改定のお知らせ」があった。
今度は隠されていない。
電話が終わるまで、赤羽は黙っていた。
赤羽が黙っていると、クラブの蛍光灯の唸りまで聞こえる。



