可能性は売ってない

放課後、俺は校門へ向かった。

もう「赤羽が待っているから」という言い訳にも慣れてきた。慣れは怖い。最初は異常だったことが、少しずつ日常の顔をし始める。

校門には、やっぱり赤羽がいた。

「朔!」

「声」

「今日、声小さくした」

「してない。むしろ自信満々だった」

赤羽は笑って歩き出した。