可能性は売ってない

――日曜の朝。

俺はジャージと着替えをバッグに詰めながら、机の上の仮入部関係のプリントを見た。

仮入部。

まだそこに逃げ道がある。

練習試合に行くのも仮。
負けるのも仮。
恥をかくのも仮。

そう考えようとしたけど、うまくいかなかった。

『仮でも、剣を持ったら選手。』

赤羽の声が、頭の中で無駄に響く。
こういうときだけ名言っぽく残るの、腹が立つ。