バルコニーに出て、食べ物の話を始めるとお互いの健康へのこだわりに笑ってしまう。わたしも相当な健康オタクだけど、彼はその上をいきそうだ。野菜中心、低脂肪高タンパク食材、玄米、水。長年のダイエット生活の知恵で、ジムのパーソナルトレーナーにも食事指導はいらないと言われたわたし。
でも、筋肉を付けたい時と体を絞りたい時で食事のメニューを変えるという彼は、トレーナーに負けない知識を持っているようだ。まさか、こんなワイルドな見た目の彼と、健康の話で盛り上がれるなんて。
「龍介さんすごいですね。詳しい。トレーナーさんみたいです」
「実はずっとトレーナーに教わってるんだ。今もね」
「毎日トレーニングします?」
「うん。今朝もトレーニングしたよ」
「どんなトレーニングするんですか?」
「ウェイトトレーニングしたり、走ったり、かな。最近ちょっとさぼり気味だったから、今日は公園で懸垂したら本当にきつかった」
「懸垂……」
「綾乃ちゃんもトレーニングする?」
「わたしは本当に少しだけ、ですね。ジムに通ってはいるんですけど、時々行く感じで」
「明日の朝、一緒に行ってみる?」
「……龍介さんと同じメニューは絶対に、絶対にできないですよ。もう見た目が違いますもん」
シャツから出ている彼の引き締まった腕に、そっと指を伸ばし、つついてみる。自分の腕の柔らかさとは全く異なる、まるで岩のような硬さに、思わず目を見張る。
「わ、すごい! かたい!」
驚きの声を上げながら、彼の腕を手のひら全体で包み込むように触れる。筋繊維が密に詰まっているのがよくわかる。彼も「くすぐったい」と小さく笑いながらも、わたしが触れた部分に意識的にぐっと力を入れてくれた。その一瞬、さらに硬度が増したのがわかった。
「今はちょっと見栄を張って、力を入れてます」
悪戯っぽくそう言う彼の表情に、わたしは笑みを返す。彼の腕が尋常ではない鍛えられ方をしているのは明らかだった。
「体脂肪率すごそうですね」
「今は年末に向けて絞り始めてるから、10パーセント弱かな」
彼の口から出た数値に、わたしは息を呑んだ。
「じゅ、じゅっぱー……」
10パーセントを切る、というレベルがどれほどのものか、わたしには想像もつかない。パーソナルトレーナーたちでさえ、「プロでも十を切るのは至難の業だ」と話していたのを覚えている。
(やはりアスリートなんだ。プロレスじゃなくて格闘技っていう線もある)
でも、筋肉を付けたい時と体を絞りたい時で食事のメニューを変えるという彼は、トレーナーに負けない知識を持っているようだ。まさか、こんなワイルドな見た目の彼と、健康の話で盛り上がれるなんて。
「龍介さんすごいですね。詳しい。トレーナーさんみたいです」
「実はずっとトレーナーに教わってるんだ。今もね」
「毎日トレーニングします?」
「うん。今朝もトレーニングしたよ」
「どんなトレーニングするんですか?」
「ウェイトトレーニングしたり、走ったり、かな。最近ちょっとさぼり気味だったから、今日は公園で懸垂したら本当にきつかった」
「懸垂……」
「綾乃ちゃんもトレーニングする?」
「わたしは本当に少しだけ、ですね。ジムに通ってはいるんですけど、時々行く感じで」
「明日の朝、一緒に行ってみる?」
「……龍介さんと同じメニューは絶対に、絶対にできないですよ。もう見た目が違いますもん」
シャツから出ている彼の引き締まった腕に、そっと指を伸ばし、つついてみる。自分の腕の柔らかさとは全く異なる、まるで岩のような硬さに、思わず目を見張る。
「わ、すごい! かたい!」
驚きの声を上げながら、彼の腕を手のひら全体で包み込むように触れる。筋繊維が密に詰まっているのがよくわかる。彼も「くすぐったい」と小さく笑いながらも、わたしが触れた部分に意識的にぐっと力を入れてくれた。その一瞬、さらに硬度が増したのがわかった。
「今はちょっと見栄を張って、力を入れてます」
悪戯っぽくそう言う彼の表情に、わたしは笑みを返す。彼の腕が尋常ではない鍛えられ方をしているのは明らかだった。
「体脂肪率すごそうですね」
「今は年末に向けて絞り始めてるから、10パーセント弱かな」
彼の口から出た数値に、わたしは息を呑んだ。
「じゅ、じゅっぱー……」
10パーセントを切る、というレベルがどれほどのものか、わたしには想像もつかない。パーソナルトレーナーたちでさえ、「プロでも十を切るのは至難の業だ」と話していたのを覚えている。
(やはりアスリートなんだ。プロレスじゃなくて格闘技っていう線もある)


