神様は誰?

六人は処分を受けた。

学校からの長い自宅謹慎。
保護者同席の面談。
警察への追加聴取。
被害を受けた人たちへの謝罪。
スマホの使用制限。
消せない記録。
見たくなくても届くニュース。
見ないようにしても、頭の中で鳴る通知音。

誰か一人が罰を受けて終わり、にはならなかった。

新は、もう「俺は煽っただけ」と言わなかった。
言いかけて、口を閉じるようになった。

慧は、「俺は止めた」と言うのをやめた。
止められなかった、という言葉を、前より重く持っていた。

陸は、仕組みの話をする時、必ず一度黙るようになった。
「できる」と言う前に、手を止めるようになった。

咲は、相変わらず見ていた。
でも時々、自分の視線から逃げるように目を伏せた。

杏は、誰かの投稿をすぐに読まなくなった。
読まないことも、置いていくことではないと、何度も自分に言い聞かせていた。

そして私は、言葉を整えることが怖くなった。

怖いのに、逃げることはもっと怖かった。

神様の声は消えた。
でも、消えたあとも、神様の言葉は残った。

スクリーンショット。
まとめ。
引用。
誰かのスマホケースに挟まれた白い面。

消したはずの言葉が、他人の中で生きている。

言葉は、投稿より長く残る。

そのことを、私は遅すぎるくらい遅く知った。