――その次の日から、六人は疑うようになった。
疑う、というより、確認するようになった。
でも、確認は疑いと同じ形をしていた。
「昨日の22時15分、誰かログインした?」
「してない」
「未読のDM、誰が既読にした?」
「既読って、全員に反映されるやつだろ」
「咲、今その画面見てた?」
「見てた」
「何で?」
「見てたから」
咲の返事は、いつも答えになっているようで、答えになっていなかった。
陸はログを何度も見た。
「何で同じログが三回出てるの」
慧が聞いた。
「自動更新」
陸が答えた。
「本当に?」
「本当に」
「お前、自分でも全部把握できてないって言ったよな」
陸の指が止まった。
「だから見てるんだろ」
「見てからじゃ遅い」
「じゃあどうしろって言うんだよ」
「止めろ」
「止めてる!」
陸の声が、階段の踊り場に響いた。
私はまた、周りを見た。
誰かに聞かれていないか。
その癖が、もう体に染みついていた。
杏は、スマホを胸に抱くみたいに持っていた。
「未対応、増えてる」
「見るな」
慧が言う。
「見ないと、危ないのがあるかもしれない」
「見ても危ない」
「今さら完全に止めたら、逆に怪しまれると思う」
慧が新を見る。
「何に」
「全部に」
新は言った。
「消した投稿のこと。自動投稿のこと。オラクルのこと。昨日のまとめも伸びてる。神様が急に黙ったら、また『運営が隠した』ってなる」
「それでも止める」
「止めたら、神様じゃなくて俺らが見られる」
その言葉で、全員が黙った。
見られる。
私たちはずっと、神様を見させていた。
白い面を見させていた。
自分たちを、アイコンの下に隠していた。
それなのに、今度は私たちが見られる。
それが怖い。
それが、いちばん本当だったのかもしれない。
疑う、というより、確認するようになった。
でも、確認は疑いと同じ形をしていた。
「昨日の22時15分、誰かログインした?」
「してない」
「未読のDM、誰が既読にした?」
「既読って、全員に反映されるやつだろ」
「咲、今その画面見てた?」
「見てた」
「何で?」
「見てたから」
咲の返事は、いつも答えになっているようで、答えになっていなかった。
陸はログを何度も見た。
「何で同じログが三回出てるの」
慧が聞いた。
「自動更新」
陸が答えた。
「本当に?」
「本当に」
「お前、自分でも全部把握できてないって言ったよな」
陸の指が止まった。
「だから見てるんだろ」
「見てからじゃ遅い」
「じゃあどうしろって言うんだよ」
「止めろ」
「止めてる!」
陸の声が、階段の踊り場に響いた。
私はまた、周りを見た。
誰かに聞かれていないか。
その癖が、もう体に染みついていた。
杏は、スマホを胸に抱くみたいに持っていた。
「未対応、増えてる」
「見るな」
慧が言う。
「見ないと、危ないのがあるかもしれない」
「見ても危ない」
「今さら完全に止めたら、逆に怪しまれると思う」
慧が新を見る。
「何に」
「全部に」
新は言った。
「消した投稿のこと。自動投稿のこと。オラクルのこと。昨日のまとめも伸びてる。神様が急に黙ったら、また『運営が隠した』ってなる」
「それでも止める」
「止めたら、神様じゃなくて俺らが見られる」
その言葉で、全員が黙った。
見られる。
私たちはずっと、神様を見させていた。
白い面を見させていた。
自分たちを、アイコンの下に隠していた。
それなのに、今度は私たちが見られる。
それが怖い。
それが、いちばん本当だったのかもしれない。



