神様は誰?

『神様の声のフォロワーが100人を超えました。』

通知は、たった一行だった。

でも、その一行で、教室の空気が少し変わった。

授業中の黒板。
先生の声。
シャーペンの芯が折れる音。
誰かが鼻をすする音。

全部が急に、遠くなる。

100人。

数字にすると、軽かった。
テストの点数みたいで、体育祭の順位みたいで、SNSならまだ小さい数字みたいで。

でも、100人というのは、顔を想像できなくなるには十分な数だった。

私たちの知らない誰かが、白い面を見ている。
私たちの知らない誰かが、神様の言葉を待っている。
私たちの知らない誰かが、たぶん、勝手に救われたり、勝手に傷ついたりしている。

私はスマホを机の下で握った。

通知欄の白い面は、相変わらず表情がなかった。
表情がないから、怖くないはずなのに、怖かった。