次の日の朝、彼女はまた俺の知るいつもの彼女に戻っていた。 制服をかっちり着て、セミロングの髪をきちんととかして。けれど、かもしだす雰囲気はどこか儚げで。
俺が見つめていると、彼女は気がつき、微笑んで会釈した。俺も同じように小さくお辞儀を返す。
俺は彼女を盗み見たが、彼女が俺のほうを向いたので彼女から目を逸らした。
彼女は俺をしばらく見ているようだった。俺は素知らぬ顔で空を見て、その視線をゆるゆると線路に落とした。
俺が彼女に楽しさを教えようなんて考えが、そもそも傲慢だったのだ。
俺は恥ずかしくなって、しばらく線路を見続けた。
彼女がしていたことを逆にしてみようと、今日の時間割を思い浮かべる。
出席番号が日付と同じなので当てられるかもしれないと気づいた。朝からゲンナリした気分になって、俺には向かないなと思った。
剣道の試合場でのことを話したかったな。
彼女より俺のほうがよっぽど勇気がないかもしれない。



