あれから、十年という長くも短い年月が経った。
「和心!そっちに料理を!」
「はいっ!」
「和心!注文お願いっ!」
「はいっ、ただいまお待ちください!」
今の私はとある料理屋で働いている。
しかも、その料理屋はただの料理屋ではなく夜は舞が踊れる。
なので私は昼はホール、夜は舞姫として舞台に立っている。
そんなある日、市場にニティヤ国で骨董品が無料で売られるという話を聞いた。
ニティヤ国のとあるお金持ちな骨董品コレクターが無償で貧しい人達に便利な調度品を譲ってくれるのだそう。
気になって市場に行くもすぐには売り切れになっていて、私が来た頃には何もなかった。
肩を落として帰っていると、
「うん…?なんだかいい匂い…。」
よく嗅いでみれば、麻花の匂いで香ばしい匂いがする。
手ぶらで帰るのも勿体ないので、せっかくだから露店に並ぶ。
「おじさん、麻花一つ!」
「店主、麻花を一つ。」
隣の男性客と声が被った。
「あの、先にどうぞ……っ…。」
先に譲ろう思って声をかけるとその男性はただの男性ではないことに気づいた。
「すみません。並んでいましたか。先にどうぞ……和心…。」
「承曜…。」
まさかの相手は承曜だったのだ。
「なんでここに…。」
「それはこっちの台詞だ。」
言いたいことは山ほどあるのに、体はお互い惹かれあってやがてどこからともなく抱き合う。
「今まで、何していたんだ。我がどんなに心配したか…。」
「ごめんなさいっ…。」
承曜の腕の中で涙を流す。
そう言えば、彼の前で涙を流すなんて初めてだ。
もう、遅いかもしれない。
なんなら承曜は私をもう愛していないかもしれない。
だけど、十年越しにあのとき言えなかった言葉を言わせて…。
「ずっと、お慕いしています。」
承曜の顔を見て言う。
「あぁ、知っている。我もずっと和心を愛している。」
どこからともなく唇が重なり合う。
しばらくして、おじちゃんの
「お前さんら若いのはいいが、行列ができとるぞ?」
という指摘に二人して羞恥心で真っ赤になって離れる。
「和心!そっちに料理を!」
「はいっ!」
「和心!注文お願いっ!」
「はいっ、ただいまお待ちください!」
今の私はとある料理屋で働いている。
しかも、その料理屋はただの料理屋ではなく夜は舞が踊れる。
なので私は昼はホール、夜は舞姫として舞台に立っている。
そんなある日、市場にニティヤ国で骨董品が無料で売られるという話を聞いた。
ニティヤ国のとあるお金持ちな骨董品コレクターが無償で貧しい人達に便利な調度品を譲ってくれるのだそう。
気になって市場に行くもすぐには売り切れになっていて、私が来た頃には何もなかった。
肩を落として帰っていると、
「うん…?なんだかいい匂い…。」
よく嗅いでみれば、麻花の匂いで香ばしい匂いがする。
手ぶらで帰るのも勿体ないので、せっかくだから露店に並ぶ。
「おじさん、麻花一つ!」
「店主、麻花を一つ。」
隣の男性客と声が被った。
「あの、先にどうぞ……っ…。」
先に譲ろう思って声をかけるとその男性はただの男性ではないことに気づいた。
「すみません。並んでいましたか。先にどうぞ……和心…。」
「承曜…。」
まさかの相手は承曜だったのだ。
「なんでここに…。」
「それはこっちの台詞だ。」
言いたいことは山ほどあるのに、体はお互い惹かれあってやがてどこからともなく抱き合う。
「今まで、何していたんだ。我がどんなに心配したか…。」
「ごめんなさいっ…。」
承曜の腕の中で涙を流す。
そう言えば、彼の前で涙を流すなんて初めてだ。
もう、遅いかもしれない。
なんなら承曜は私をもう愛していないかもしれない。
だけど、十年越しにあのとき言えなかった言葉を言わせて…。
「ずっと、お慕いしています。」
承曜の顔を見て言う。
「あぁ、知っている。我もずっと和心を愛している。」
どこからともなく唇が重なり合う。
しばらくして、おじちゃんの
「お前さんら若いのはいいが、行列ができとるぞ?」
という指摘に二人して羞恥心で真っ赤になって離れる。
