午前零時、籠にいられない私は裸足で舞う

「……なるほど…。本日は無礼を働きました。皇后陛下。」


 使者は少し眉を下げ、困ったように笑った。

 使者の言いたいことは分かる。

 だけど、敢えて言わない。


「あなた達は本心はどうであれ、人は形がなくとも信じているもののためなら戦える、ということをあの日に証明しました。なら、私は理屈でも感情論でもなく形が無い方法で自分を証明するまでです。」


 そう言えば使者は


「勝負事においては理屈の無い者が勝つ…そんなことを忘れておりました。しかし、あなたのおかげで思い出しました。」


 そして最後に、こう言った。


「ありがとうございました。皇后陛下。」


 そうして、使者は武装した護衛を引き連れて庭園から去った。

 彼が去り際にこう言ったのを忘れない。


「あの御方はもはや亡国の娘でも罪人でもない…。一人の人である。」


 と言った。