午前零時、籠にいられない私は裸足で舞う

 私は彼を避けるようになった。

 お散歩の時間もまばらにしたり、できるだけ部屋に籠って書庫から持ってきた本を読んだりする。

 そんな生活を繰り返したある日のこと。


「眠れない…。」


 灯りは消えているはずなのに、なぜか眠れない。

 水差しにある冷たい水を飲む。

 ふとした瞬間、書庫から持ち込んだ本の山から一冊の本が目に入って、手に取る。


「牛郎織女…。」


 そういえば、彼に薦められていたんだっけ。

 表紙を捲れば、星空に若い牛使いと美人な織姫の二人が星空にいる絵と、流れるような文字のページが現れる。

 牛使いと織姫は働き者であったが、結婚してから二人は仕事を怠けるようになった。

 それを見兼ねた神様は二人を天の川で引き離した。

 しかし、神様は悲しむ二人を放っておくことは出来ず、毎日真面目に仕事をすれば一年に一日だけ二人を会わせるようにした。


「……陛下が言っていた意味が分かったような気がする…。」


 本をギュッと抱え込む。


「……でも、想いを伝えるために言葉があるとも感じるの…。」