午前零時、籠にいられない私は裸足で舞う

 むかしむかし、あるところに両親と幸せに暮らしていた小さな女の子がいました。

 しかし、少女がまだ幼い時に母親は流行り病で亡くなりました。

 それから父は、新しい母とその人の連れ子である姉二人を連れてきました。

 女の子にとっては複雑な心境になるも、父が幸せなら…と思い、義母と義姉妹と打ち解こうと思いました。

 関係は良好だったものの、父も事故で亡くなってしまいました。

 それからというのも、義母や姉二人は女の子を召使のように扱いました。

 住まいは屋根裏部屋だけ。

 励ましてくれる友達は鼠や小鳥だけ。

 そんな生活に耐えれなくなった女の子は家を飛び出しました。

 だけど、見知らぬ青年に出会ってしまったのです。

 ほんの数分しか話していない。

 ましてやお互いの名前も知らない。

 そんなはずなのに、二人は惹かれてしまったのです。

 青年の正体は王子様でした。

 青年は女の子にまた会いたいがため、国中の女の子を招待した舞踏会を宮殿で開きました。

 もちろん招待状は女の子の家にも来ましたが、肝心のドレスがありません。

 だから、母の形見であるドレスを自分で手直ししました。

 しかし、義母と姉二人はそれを赦しません。

 女の子のドレスを引き裂き、ボロボロにしました。

 そして、女の子を置いて自分たちだけで舞踏会へと行ったのです。

 女の子は途方に暮れました。

 しかし、そんな女の子のもとに魔法使いが現れたのです。

 魔法使いは馬車に馬、お付きのもの、ドレスを魔法で生み出しました。

 そして、快く女の子を舞踏会に送り出してくれたのです。

 心のまま、女の子は王子様と踊りました。

 しかし、午前零時に魔法が解けるのを思い出し、急いで宮殿を出て行きました。

 そのときに魔法でできたガラスの靴の片方をうっかり落としてしまいました。

 翌日、王子様はこのガラスの靴が合う女性と結婚する、と命令を出しました。

 しかし、ガラスの靴に合う女性はなかなかいませんでした。

 そしてとうとう、女の子の家にやってきました。

 女の子は屋根裏部屋に閉じ込められ、ガラスの靴を履くチャンスをなくしました。

 しかし、王子様が諦めて帰ろうとしたとき、女の子の歌声が屋根裏部屋から聞こえたのです。

 窓際で歌っていたので、鼠たちが窓を開けてくれたのです。

 そして、彼女は王子様の前に連れて行かれ、ガラスの靴を履かせました。

 王子様には魔法使いが義母や義姉達から守るために、女の子が誰か分からなくする魔法をかけたって、あの日の少女だと分かっていたのです。

 そして、ガラスの靴は女の子にピッタリと合って王子様と結ばれました。