宵色スパークル

 ミウラは生まれつき霊視(波長が合えば聞こえる事もある)能力があり、それを活かして探偵を生業にしていた。視えるならお祓いもできると期待されては迷惑なので知っているのは大半故人で生者は極少数。そんな彼の事務所を訪れた少女に対して、ミウラは階下のメンタルクリニックか腐れ縁の生臭坊主を紹介するか判断に困っていた。
 依頼人は親友と下校中、轢き逃げに遭ってしまい自分は病院で意識を取り戻したが、親友があの日以来行方不明になってしまった。それは表向きで自分は彼女の居場所を知っている。毎晩枕元に立って「私を探して」と懇願して来るから。
 証拠として差し出された動画にも真正面に居る依頼人の傍にも親友ちゃんとやらはいない。ミウラが視えるのは目が血走った中年女性で、ずっと「十三」と呟いている。おそらくこの子が十三代目だと主張したいんだろうなぁ。少女の付き添いできた若い男性は見覚えがある。生臭坊主の行きつけの店に、別の用事で出入りしている男二人組の片割れだ。確実に少女から見えない位置から蟀谷で指をくるくるするジェスチャーをしてくる。把握してらっしゃるならそちらで対処してくれません?
 どうにか穏便に諦めてもらった過去をふと思い出したのは、海外の芸術コンクールの絵画部門で優勝した日本人女性へのインタビューが、たまたま点けたテレビで流れたからだ。若いアーティストをバッグハグしてニコニコ笑っている守護霊が、ジューサンジューサン喧しいオバサンとよく似ている。もしかして姉妹だったりして。勝手な憶測をしながらテレビを消して、ミウラは素行調査の裏取りに向かった。