電脳戦隊ネットレンジャー

「マジかよ……どう倒せっつんだよ……っつ……」
「回復は早いと思うが、まだ動かない方がいい」
「 望月さん、アレは……本当に竜也さんなんでしょうか」
「――さあな。でも目はアイツそのまんまなんだ。でもどうやら作戦部長は竜也だと思ってるらしいぜ。ま、とにかくここは任せた」

 そして沙弥もサーベルを取り出すと、想の元に近づいていった。

「想、どうすんだ」
「何が」
「だから、アイツ。ホントに倒せんのかよ」
「さあな」
「おい!」
「竜也本人がゴーヌに変化するって事はあり得ないだろう。おそらく本物のゴーヌに操られ――」

『ピンポーン。そのどーりっ』

「!!」

 二人が顔を上げると、ゴーヌの頭部近くに小さな少年が座っているのが見えた。

『やぁ、はじめまして。ボクはマーゴット。人の精神につけこむゴーヌだよ』
「そこまで自己紹介してくれるなんて、自信があるんだな」
『もっちろん。確かにこのコは本人じゃなけど、このコを操っているのはネットレッド()()()()()だよ」

(……やめて)

 暗闇の中にいる竜也の頭の中に、ふいに子供の声が聞こえてくる。

「まさか……じゃあコレも竜也の意志だって言うのか」

(望月さん……?)

 両手を伸ばして声の出所を探すが、何の手がかりもない。ただ一面の闇が広がっているだけだった。

『そうだよ。彼は虐められているのに仕返しをする事も、それを断ち切る事も出来ない。彼の心の中に間が広がり、その闇はやがて彼の心を支配する』

(やめて……やめ……)

『言っとくけどね、彼が自分で闇から抜け出そうとしないと一生助からないよ。それと、このコに与えた痛みは彼自身の痛みにもなるからね』
「ふざけやがって……」

 想は唇を噛みしめる。どうしようもない怒りがマーゴットに向かってならない。力を込める想の右腕に、後ろ手の沙弥の左手が触れる。

「俺が行く。その間にお前はどうやったら竜也を助けられるか考えとけ」

 言うが早いか、沙弥はサーベルを右手に持ったまま、マーゴットに向かって走り出す。そんな沙弥の後ろ姿を見ながら想は吐き捨てる。

「余計な世話だ……当たり前だろ」