「まったく……ゴーヌに隙を見せるなんて……」
高見の見物をしていた『神』は、半分その状態を楽しんでいた。しかし、このままにしておくわけにもいかないので、『神』は四人にメールを送った。
【ネットレッドに緊急事態。至急ネットシティに入れ】
放課後という時間から、授業も終わっていた四人はそれぞれ適した場所を探し、ネットシティへと入った。 一番最後に沙弥がやって来たのは、『神』からの招集命令が入った十五分後だった。
「遅い」
「路上で寝込む訳にはいかねーだろ。家まで走って帰ったんだよ」
「足も遅いのか」
「『も』って何だよ『も』って! 他に何が遅いっつーんだよ!!」
「計算力」
「殺す!!」
沙弥がサーベルを召喚すると、想も真剣を召喚し、剣を交差させる。普段ならここで竜也が止めに入るのだが、今回はそうもいかなかった。
「想さん、望月さん。その辺でやめておかないと――」
「「うるさい!!」」
沙弥のサーベルは触れたものが氷に変わるコールドタイプで、想の真剣は、触れたものを闇に帰すブラックタイプである。お互い危険なタイプであるが、このタイプしか使えないというわけではない。アンティウヌの件で、淳の散弾銃が、ファイヤータイプからライトタイプに変えることができたように、同じ武器でもタイプを変えることができる。
それを敢えて一定のタイプしか使わないのは、二人が今一番それが使いやすいと分かっているからである。当前、敵によって二人とも武器のタイプを変えることもあるだろう。
この二人の争いを止める役目を担っているのは竜也のみであり、止めることができるのも竜也のみである。
つまり今までは竜也が止めない限り、半永久的に終わる事はなかったのだが、今回だけは違った。黒い獣のように真っ黒な毛で覆われたゴーヌが現れた事によって、二人の争いはピタリと止まった。
「よーやくお出ましか。行こうぜ想! 望月!」
各々武器を手に取りゴーヌに向かったが、健太だけはそのゴーヌに何か不可解なものを感じ取り、その場に立ち止まった。そして想と沙弥もそのゴーヌの目を見た瞬間、事態に気づき、後退りする。外見はゴーヌそのものだったが、あの目は――あの怯えた目は。
「淳だめっ! 戻って!!」
「えっ?」
しかし時すでに遅し。その淳の一瞬の隙をついてゴーヌは淳に切りかかった。
「淳!!」
スローモーションの様にゆっくり倒れ落ちていく淳に沙弥と健太は駆け寄る。それと同時に真剣を持ち直した想がゴーヌに向かって歩いていく。
「想さんっ!?」
健太の止める声も開かず、想は真剣を垂直に振り下ろす。するとゴーヌは顔を抑え、項垂れる。
「想やめろ、そのゴーヌは……」
「 何やってんだ竜也」
「!?」
そう、そのゴーヌは竜也だった。虐められ慣れている目。想と沙弥はその目でそのゴーヌが竜也だと気づいたのだった。
高見の見物をしていた『神』は、半分その状態を楽しんでいた。しかし、このままにしておくわけにもいかないので、『神』は四人にメールを送った。
【ネットレッドに緊急事態。至急ネットシティに入れ】
放課後という時間から、授業も終わっていた四人はそれぞれ適した場所を探し、ネットシティへと入った。 一番最後に沙弥がやって来たのは、『神』からの招集命令が入った十五分後だった。
「遅い」
「路上で寝込む訳にはいかねーだろ。家まで走って帰ったんだよ」
「足も遅いのか」
「『も』って何だよ『も』って! 他に何が遅いっつーんだよ!!」
「計算力」
「殺す!!」
沙弥がサーベルを召喚すると、想も真剣を召喚し、剣を交差させる。普段ならここで竜也が止めに入るのだが、今回はそうもいかなかった。
「想さん、望月さん。その辺でやめておかないと――」
「「うるさい!!」」
沙弥のサーベルは触れたものが氷に変わるコールドタイプで、想の真剣は、触れたものを闇に帰すブラックタイプである。お互い危険なタイプであるが、このタイプしか使えないというわけではない。アンティウヌの件で、淳の散弾銃が、ファイヤータイプからライトタイプに変えることができたように、同じ武器でもタイプを変えることができる。
それを敢えて一定のタイプしか使わないのは、二人が今一番それが使いやすいと分かっているからである。当前、敵によって二人とも武器のタイプを変えることもあるだろう。
この二人の争いを止める役目を担っているのは竜也のみであり、止めることができるのも竜也のみである。
つまり今までは竜也が止めない限り、半永久的に終わる事はなかったのだが、今回だけは違った。黒い獣のように真っ黒な毛で覆われたゴーヌが現れた事によって、二人の争いはピタリと止まった。
「よーやくお出ましか。行こうぜ想! 望月!」
各々武器を手に取りゴーヌに向かったが、健太だけはそのゴーヌに何か不可解なものを感じ取り、その場に立ち止まった。そして想と沙弥もそのゴーヌの目を見た瞬間、事態に気づき、後退りする。外見はゴーヌそのものだったが、あの目は――あの怯えた目は。
「淳だめっ! 戻って!!」
「えっ?」
しかし時すでに遅し。その淳の一瞬の隙をついてゴーヌは淳に切りかかった。
「淳!!」
スローモーションの様にゆっくり倒れ落ちていく淳に沙弥と健太は駆け寄る。それと同時に真剣を持ち直した想がゴーヌに向かって歩いていく。
「想さんっ!?」
健太の止める声も開かず、想は真剣を垂直に振り下ろす。するとゴーヌは顔を抑え、項垂れる。
「想やめろ、そのゴーヌは……」
「 何やってんだ竜也」
「!?」
そう、そのゴーヌは竜也だった。虐められ慣れている目。想と沙弥はその目でそのゴーヌが竜也だと気づいたのだった。



