電脳戦隊ネットレンジャー

 ネットレンジャーの活躍はテレビでもとりあげられ、五人は有名となっていた。しかし、ネット上では五人の素性は明かされず、ネット+カラーと記されている。そして先日のアンティウヌとの戦いも全て五人が行動した通り、発言した通りにネットレンジャーのホームページで公開されていた。ただ一つ違うのは、例えば誰かが「竜也」と呼んだ場合、その部分だけが「ネットレッド」に変えられている事。これは何者かが、 五人の戦いを見物しながら、セリフの部分だけを修正して公開していることになる。それについて一番あやしいのはネットレンジャーのホームページの開設者。HPがテレビで公開される事はあっても、開設者だけは明らかにされていなかった。実際の戦いである為テレビの特撮とは違う迫力があり、幅広い年代にまでネットレンジャーの人気は広まっていた。
 しかし本人達としては、そんな恥ずかしい事はとても言えず、周りの人間は彼らがネットレンジャーの一員だという事は知らなかった。
 そんな中、沙弥がネットブルーたで知っている人間がいた。沙弥と中学時代からの友人の萌と、高校に入ってからの友人、百合、雛にだけは沙弥は正体を明していた。
 そしてある日の钥、沙弥、百合、雛、萌の四人は一緒に投稿していた。

「ねぇ望月。ネットレンジャーの中でカッコいい人とかいないの?」
「分かんない。みんなネットシティーだとマスク被ってるもん。顔見たことないよ。あ……でも」

 沙弥は、先日アンティウヌが現実世界の想を襲いにいった時見た、マスクをしていない想の顔を思い出した。

「でも?」
「何でもない」

「じゃあさ、『顔見せて』って言えばいいじゃない? 取れるんでしょマスク(アレ)
「取れるけど、『じゃあお前も見せる』って言われるじゃん多分」
「そっか、男のフリしてるんだよね、望月さん」

「女だからってバカにされんの……嫌なんだもん」
「望月……」

 そこまで言いかけた雛は急に、ガクッと膝を折り、その場に立ちすくむ。

「小野? どうしたの? 小野!?」

 沙弥は雛の肩を揺さぶって声をかけるが、雑の瞳は曇り、虚ろな表情をしていた。

「小野、聞こえる? あたしの声聞こえてる?」

 耳をすませて雛からの応答を待つが、雛は人形の様に動くことはなかった。

「幽体が……抜けてる?」
「え?」
「何でもない。花井、横田。小野を家に連れ帰って。小野は絶対にあたしが助けるから」

 そう言うと沙弥は突然自分の家に大急ぎで戻った。戻りながら、沙弥は『net red』竜也に携帯電話でメールを送った。

【ゴーヌが出たかもしれない】

 自宅のパソコンからPHSに転送されたメールを読んだ竜也はすぐにメールを返す。

【何があったの?】
【俺の知り合いが突然倒れた。幽体を引き抜かれたらしい】
【やっかいだね。僕もすぐにネットシティに入るよ】

 沙弥が家に戻ってネットシティに入った時、竜也から連絡を受けた淳がすでにいた。