スレチガイレッドスレッド

ゆうごは、しばらく黙っていた。
「……今日さ」
「俺、逃げなかった」
確認するみたいに言う。
りんたろうは、軽く頷く。
「見てた」
「ちゃんと」
その一言で、ゆうごの肩が少しだけ下がった。
立ち上がる。
「行くか」
りんたろうが言う。
「これからは?」
ゆうごが聞いた。
りんたろうは、振り返らずに答える。

「これからも、親友」

「恋の主役はお前だし」
「俺は」
一瞬だけ、立ち止まる。
「隣で、バカなこと言ってる役」
ゆうごが、はっきり笑った。
「それ、助かる」
「だろ」
ドアを開ける。
夜風が、体育館に流れ込む。
りんたろうは、最後に一言だけ言った。
「なあ、ゆうご」
「一人で立とうとすんな」
「親友として、
 それだけは許さない」
ゆうごは、何も言わなかった。

でも、並んで歩き出す足取りは、
確かに同じ速さだった。