スレチガイレッドスレッド

体育館の灯りは、もう半分だけ消えていた。
部活が終わったあとの静けさは、いつもより少しだけ長く感じる。
ベンチに座っていたりんたろうは、
ドアの開く音に気づいて顔を上げた。
「……まだいたのかよ」
入ってきたのは、ゆうごだった。
制服のまま、少しだけ息が乱れている。
「お前こそ」
りんたろうは、隣を軽く叩く。
ゆうごは迷わず、そこに座った。
しばらく、何も言わない。
沈黙は、もう気まずくなかった。
「……話した?」
りんたろうが聞く。
「うん」
短い返事。
「そっか」
それだけで、十分だった。
りんたろうは、視線を前に向けたまま言う。

「なあ、俺さ」

「お前のこと、
 助けようとか、救おうとか、
 あんまり思ってなかった」

ゆうごが、少し驚いた顔をする。
「ただ」
言葉を選ぶ。
「隣に立ってるだけでいいって、思ってた」
「……それで、よかったのかよ」
ゆうごが、ぽつりと聞く。
「分かんね」

正直な答えだった。