スレチガイレッドスレッド

ゆきのは、校門を出たところで立ち止まった。
息が、少し早い。
——大丈夫。
そう言い聞かせて、歩き出す。
ゆうごと目を合わせないようにしてから、何日経っただろう。
朝は友達に囲まれて、昼は笑って、放課後は用事があるふりをする。
全部、うまくやっているはずだった。
なのに。
胸の奥に、小さな音が残る。
割れたままの、何か。
帰り道の角を曲がったとき、
足音が一つ、後ろから重なった。
——違う。
気のせい。
そう思った瞬間。
「ゆきの」
名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
振り向かなければ、逃げ切れる。
分かっているのに、
体が先に動いた。
「……なに」