放課後の廊下は、人が少なかった。
部活へ向かう足音が遠くで反響して、窓から入る風がカーテンを揺らす。
ゆうごは、昇降口の前で立ち止まった。
——今なら。
6月20日という日付が、胸の奥で熱を持っている。
考えすぎる前に、動かなきゃいけない。
そう分かっているのに、靴のつま先が床から離れない。
そこへ、ゆきのが来た。
友達と別れて、一人になる瞬間。
「……ゆきの」
声は出た。
自分でも驚くくらい、ちゃんとした声だった。
ゆきのが振り向く。
「あ、ゆうご」
笑顔。
でも、どこか薄い。
「ちょっと、話せる?」
一瞬の間。
ゆきのの視線が、ほんの少しだけ揺れた。
「ごめん、今日……急いでて」
言葉は柔らかい。
でも、はっきりとした拒否。
「あ、そっか」
ゆうごは笑おうとして、失敗した。
「また今度でいい?」
その言葉が、胸に刺さる。
今度。
それは、今日じゃないという意味だ。
部活へ向かう足音が遠くで反響して、窓から入る風がカーテンを揺らす。
ゆうごは、昇降口の前で立ち止まった。
——今なら。
6月20日という日付が、胸の奥で熱を持っている。
考えすぎる前に、動かなきゃいけない。
そう分かっているのに、靴のつま先が床から離れない。
そこへ、ゆきのが来た。
友達と別れて、一人になる瞬間。
「……ゆきの」
声は出た。
自分でも驚くくらい、ちゃんとした声だった。
ゆきのが振り向く。
「あ、ゆうご」
笑顔。
でも、どこか薄い。
「ちょっと、話せる?」
一瞬の間。
ゆきのの視線が、ほんの少しだけ揺れた。
「ごめん、今日……急いでて」
言葉は柔らかい。
でも、はっきりとした拒否。
「あ、そっか」
ゆうごは笑おうとして、失敗した。
「また今度でいい?」
その言葉が、胸に刺さる。
今度。
それは、今日じゃないという意味だ。
