昼休みの教室は、少し騒がしかった。
窓際では誰かが笑っていて、廊下からは別のクラスの声が流れ込んでくる。
ゆうごは机に肘をついて、ぼんやりと外を見ていた。
その隣に、りんたろうが座る。
「今日さ」
何でもないみたいな声だった。
「6月って、いろいろあったよな」
ゆうごは一瞬だけ、瞬きをした。
「……そうだな」
それだけ答える。
りんたろうは、それ以上すぐに続けなかった。
ノートを開いて、ペンを転がす。
——まだ早い。
自分に言い聞かせる。
今年知り合ったばかりの友達に、どこまで言っていいのか。
その線は、今も分からない。
「さ」
りんたろうは、ふっと視線を上げた。
「もしさ、誰かが悪者になることで、誰かを守れるって思ったら……それって、間違いかな」
ゆうごの指が、机の端を強く押した。
「……なんで、そんなこと聞くんだよ」
笑いに変えようとした声は、少しだけ震えていた。
りんたろうは肩をすくめる。
「いや、なんとなく」
なんとなく。
でも、その言葉は、
ゆりかの言葉と、
何も起きない日々と、
胸の奥でずっと引っかかっていた違和感を、
一本の線でつなぎ始めていた。
放課後。
二人で体育館へ向かう廊下。
「お前さ」
りんたろうは立ち止まらずに言った
窓際では誰かが笑っていて、廊下からは別のクラスの声が流れ込んでくる。
ゆうごは机に肘をついて、ぼんやりと外を見ていた。
その隣に、りんたろうが座る。
「今日さ」
何でもないみたいな声だった。
「6月って、いろいろあったよな」
ゆうごは一瞬だけ、瞬きをした。
「……そうだな」
それだけ答える。
りんたろうは、それ以上すぐに続けなかった。
ノートを開いて、ペンを転がす。
——まだ早い。
自分に言い聞かせる。
今年知り合ったばかりの友達に、どこまで言っていいのか。
その線は、今も分からない。
「さ」
りんたろうは、ふっと視線を上げた。
「もしさ、誰かが悪者になることで、誰かを守れるって思ったら……それって、間違いかな」
ゆうごの指が、机の端を強く押した。
「……なんで、そんなこと聞くんだよ」
笑いに変えようとした声は、少しだけ震えていた。
りんたろうは肩をすくめる。
「いや、なんとなく」
なんとなく。
でも、その言葉は、
ゆりかの言葉と、
何も起きない日々と、
胸の奥でずっと引っかかっていた違和感を、
一本の線でつなぎ始めていた。
放課後。
二人で体育館へ向かう廊下。
「お前さ」
りんたろうは立ち止まらずに言った
