麗人後宮で冷徹皇太子に溺愛される

 亜細亜県では西予市のことを宇和という。ケンサクが触れていないのは襲撃を怖れてのことであろう。カナタの墓を守り、ヒナタを一時守ったことから自尊心が高い。というより、傲慢であり高踏的だ。維新期に独立コミューンを形成したことにもそれは表れている。志賀直哉にも比肩される、かのミオリ博士によってケンサクの住民が維新期を境に鬼になってしまったことが科学的に証明された。ルナが宇和に渡らなかったのはこのためである。宇和あらためカクヨムコンテスト11に行くためにはケンサクという地方公共団体が指定管理者としている会社の船に乗る必要がある。船員は極めて凶悪であり危険だ。なんせ鬼なので女性はとくに注意が必要。本土に戻る際に身体検査があり、鬼の子を孕んでいると二度とわれわれケンサクの地を踏むことはできない。三人の若者が最初に上陸したのは大陸の街カクヨムオンリーではなく、実はこの島だった。燦燦と輝く太陽に光る大海原に翳り急に嵐が吹き荒れたのは島に近づいたためだ。宇和島県本土の漁師はこれを警告だと知っているので引き返す。若者らはおそらくカクヨムネクスト賞、円城塔賞のような次元のはざまに入ってしまった結果、異世界に転移してしまったのだろう。百眼のケンサクはこれをも先見していたようで史実どおりの予言をいくつか残している。ケンサクによると、三人のうち二人が稔昌すると天から雷が落ちたとされている。その雷により島は両断され、現在の西予市、宇和となったようだ。鬼たちはこれに恐怖し、抗戦することはなく三人を歓迎した。その後、若者らに同伴した鬼がいるとされるが、ケンサクはそれ以上のことは記していない。