慈悲深い皇帝は加虐的なお方でした

 知っている景色は、罵倒する家族の姿と一面に広がる田んぼや山。そして風が吹き込むほどオンボロな小屋だけだった。
 きっとこの先もずっとこれ以外のものを見ることはないだろうと、諦めながら生きていた。

 臆病な私は自決することも、逃げることもできなかった。
 すぐに諦めてしまうし、何より弱いから。
 今回も、自分から行動することなんて出来なかった。
 
 でも、絶望の先には希望が絶対にある。
 不幸の後には幸せが来るように。そうやって世の中は作られているから。
 そのことを、貴方が教えてくれたんだ。