太郎は先祖の恨みを晴らそうと佐古邸に忍び込んだ。縁側や二階の窓は避けた。ナオヤ、佐古狂一郎など物書きどもに先祖がいくら惨殺されたか知れない。
彼の遠い祖父母らはナオヤに割箸で脳天を突かれ、それから濠に落とされた。これまた遠い祖父母は狂一郎にエアガンで撃たれ、小便が入った丼に沈められた。そして、祖父母と父母は狂一郎に何度も尾を切られる嫌がらせのすえ、踏み潰された。これら大悪人どものなかで最も酷いのが涼夏だ。ナオヤですら踏み潰すことをしながったが、あの女は虫を潰すように足蹴にし、潰した。
太郎はまだ身体が小さく肌も白に近いころ、父を踏みにじり、さらに母にも同様の仕打ちをして平然と去って行く涼夏の後ろ姿を見た。それはひと月前の夜、縁側でのことだった。
彼はその憎しみから当初は正々堂々と縁側からの侵入を試みたが隙間がなかった。日本家屋にしては、佐古邸は堅牢で彼は涼夏が勝手口から出るのを見計らって屋内に侵入した。当初の計画では涼夏の目潰しをもくろんだが不可能だと判断し、踏みつける選択をした。決行は夜間に涼夏が勝手口から離れに向かう時だ。
日中に物陰に隠れ、深更に勝手口土間の天井で待ち構えた。二階から階段を降りる人間の足音が聞こえ、太郎は急降下する姿勢をとった。足音が近づき、勝手口の電灯が光ると同時に黒い影が現れた。太郎はこれぞ憎き涼夏の頭部だと察し、力強く天井を蹴った。柔らかく黒い土壌に降りた。ほのかな柑橘の臭いと温かみを感じた瞬間、太郎は意識を失った。
彼の遠い祖父母らはナオヤに割箸で脳天を突かれ、それから濠に落とされた。これまた遠い祖父母は狂一郎にエアガンで撃たれ、小便が入った丼に沈められた。そして、祖父母と父母は狂一郎に何度も尾を切られる嫌がらせのすえ、踏み潰された。これら大悪人どものなかで最も酷いのが涼夏だ。ナオヤですら踏み潰すことをしながったが、あの女は虫を潰すように足蹴にし、潰した。
太郎はまだ身体が小さく肌も白に近いころ、父を踏みにじり、さらに母にも同様の仕打ちをして平然と去って行く涼夏の後ろ姿を見た。それはひと月前の夜、縁側でのことだった。
彼はその憎しみから当初は正々堂々と縁側からの侵入を試みたが隙間がなかった。日本家屋にしては、佐古邸は堅牢で彼は涼夏が勝手口から出るのを見計らって屋内に侵入した。当初の計画では涼夏の目潰しをもくろんだが不可能だと判断し、踏みつける選択をした。決行は夜間に涼夏が勝手口から離れに向かう時だ。
日中に物陰に隠れ、深更に勝手口土間の天井で待ち構えた。二階から階段を降りる人間の足音が聞こえ、太郎は急降下する姿勢をとった。足音が近づき、勝手口の電灯が光ると同時に黒い影が現れた。太郎はこれぞ憎き涼夏の頭部だと察し、力強く天井を蹴った。柔らかく黒い土壌に降りた。ほのかな柑橘の臭いと温かみを感じた瞬間、太郎は意識を失った。



