君の春に別れを——運命が変わったあの日

1.「好きな人、好きな人ってマジうるさい」
「そんなもんだよ。諦めなよ。玲奈」
「はー。しょうがないから諦めるか」
そう言い、私は机に頬杖をついた。
愛衣は、好きな人がいるのかな?とふと思った。
好きな人の話のときだっていつも明るくこんな人がいーなー。なんて言って、、。
「玲奈、聞いてる?もう帰るよー。」
「あ。ごめん。」
少しだけ毎日、愛衣と帰るのが面倒臭い。
私たちは仲が良く同じ方面なので一緒に帰っている。
愛衣が悪いわけじゃないのは分かっているけど、どうしても嫌だった。
みんなから注目され通る度に何か言われる。
愛衣がインフルエンサーなことはもちろん、私もたまにテレビに出るぐらいの下っ端女優だが今回は、主演をするため一段と視線が集まる。
私は、ストレス発散がしたかったため思い切って愛衣にこう言った。
「愛衣、カラオケ行かない?」
「え!行く行く!」
私たちはスキップをしながらカラオケに向かった。

この時の私たちには、あの時のような日が来るとは思いもしなかった——。