危険すぎる恋に、落ちてしまいました。3

そのやりとりに、緊張がふっと解けて早足で美羽に歩み寄り、椿は、美羽を思い切り抱きしめた。


「……無事でよかった。ったく、びびるだろうが。」

「ふふ、…ごめんなさい。」


美羽は、椿の胸に額を預け、微笑んだ。


「椿くん。私はもう大丈夫」

顔を上げ、真っ直ぐ見つめる。


「これから何があっても、日本で頑張れる。だから、心配しないで行って」


少しだけ、照れながら。


「あとね……たまに手紙とか、…電話くれたら、嬉しいな」

椿の目が、揺れる。

「……当たり前だ、ばーか」

そして、そっとキスをした。

周囲から、なぜか拍手がまき起きる。


「椿くん、大好きだよ!」
「俺も。美羽が、ずっと大好きだ!」

お互いを精一杯抱き締める椿と美羽。



それを見ていた、秋人は肩をすくめる。

「やれやれ……青春だね~」

椿は秋人にゆっくりと拳を差し出した。

「秋人。美羽のこと、頼んだ」

「椿、りょーかい」

拳と拳が、軽く触れた。
ふたりのこれからの熱い友情も、固く結ばれていた。




やがて、飛行機が動き出す。

美羽は、封筒から航空券を取り出し——
びりりと破いた。


紙片が、桜吹雪のように舞う。


「4年なんて…長すぎなのよ!椿くんのばーか!!」

でも、笑って。

「でも、……待っててあげるね」

空へと消えていく飛行機を見上げながら。



秋人が、美羽にそっと聞く。

「美羽ちゃん……本当によかったの?」

美羽は振り返り、迷いのない笑顔で答えた。


"うん!私も待つって、決めたからっ!!"


桜と空と、未来の約束。
それはきっと別れじゃない。

遠くで飛行機雲が重なる。それはきっと、これからのふたりを繋いでいた。